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64 現実では魔法の使い道はなかった

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一度コツを掴んでしまえば後は早い。
火は、ガスコンロを思い浮かべ、火の玉を思い浮かべつつ動かすと簡単に飛んでいった。
風は、台風みたいな嵐のイメージ。
イメージしたら風だけじゃなくて水も出た。
こういう2つの要素が混ざったのを混合とか複合とか言うらしく、意外と難しい分類になるのだとか。
やった感じではうっかりできてしまったという感じだったが。
ふと、あれっと思った。
魔法文明側の巡視の際に困るのであって、今困っていないよなということに。
しかも、なぜここで練習が可能なのか。

「この世界は、魔法側と科学側が合わさり、さらに上の文明として確立しているのでこの世界では魔法が使えるのですよ。最も、必要とは言い難いですが」
「不要ということ?」
「私を呼び出す資格があれば、ほとんどの魔法は意味を成しません。魔法以上のことが出来てしまうのですから」

確かに、疑問があれば即回答。
学習したいなら普通の学習法以外に睡眠学習を選べる。
食事は希望を言えば瞬時に出現。
行きたいところあれば、即移動する。
自分で何かをする気にならなくなりそうな、なまけもの気分になってしまいそうだな。

「すると、ハジメのキャラクターで魔法が使えるように成った方がいいと言うことか」
「その通りですが、乗り移りますか?」
「キャラクターで出直しということか?」
「今のイメージを魔法文明側キャラクターで再現できれば、あの世界でも魔法が使えるようになると思われます」
「イメージだけでは不足なのか」
「魔法陣と呪文、イメージ、そして魔力。魔力とどれかの組み合わせで魔法は発動します。巡視先がどの組み合わせなのかは、やってみないと分かりません。発動しても弱く使い物にならない可能性もありますし、強く発動してしまい、調整が難しいかもしれません。巡視以外にあの世界へ行くことは認められない原則なので、ここでは予習になりますね」
「原則ねぇ」

原則は巡視だけど、何か条件が合えば巡視以外にもあの魔法文明世界に行くことは可能と聞えた。
合ってる?

「大きな声では言えませんが、合っています」

なるほどなるほど、でも、行かなくていいや。
何があるか分からないし、付き添ってもらっているグリーンに申し訳ないから。
そういえば、イベントに来ていたらしいけど姿を見なかった。
どの辺りにいたのだろうか。
明日、聞いてみるか。
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