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41 ちょっと不自然だったね

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印刷所見学のついでで魔法陣の改良までやってしまったグリーン。
何がどうなっているのか全く分からないが、とても良いことをしたのだろう。
そのまま2回目のメンテナンスに入るタイミングで、午前のおやつの時間になり雑談をしてから印刷所を後にすることにした。

「また何かあったら寄ってくれい。歓迎するぞ」

親方はグリーンのことを褒めちぎっていた。
しかし、大量生産という技術は過去になかったのだとは思わなかった。
それがつい最近、啓示があったと言えば思いだされるのはともえさんの『融合異世界』。
これがどういう影響を及ぼすのか分からないが、悪い方向性ではないと信じたい。
現に、便利になっている。

「なんだかともえ様が怒っているような気がする。今日は、ここで上がってしまいましょう」
「なら宿屋だね」
「ううん、この先の教会で休ませてもらいましょう」

ともえさんが怒っているとは一体なぜだ?

教会に着くと司祭はこの『融合異世界』について知っていた。
部屋を借りたいと言えば、すぐに用意をしてもらえ、この世界から元の世界へと帰還する。

「み・ど・り~、あなたが技術革新の先陣を切ってどうするのよ。それくらいのことは、あの世界に住まう人に考えてもらわないと後々大変なのよ」
「ぱっと見たら、ぱっと思い浮かんでしまって…つい。すみません」
「はぁ、まあもう仕方が無いわね」
「みどりがやったことって、そんなに技術革新ですか?」
「ええ、あの世界の賢者クラスが開発するレベルを、一介の冒険者。しかもギルドランクが低い人がやったのよ。小学生が大学生の頭脳に勝ったようなものよ」
「そこまでですか」

驚いてしまった。
そんなに大事になるとは思わなかったからだ。
しかし、もう伝授してしまったからには何をやっても遅いのでは?

「しばらくは魔法世界側に行くのはよした方がよさそうね。みどりにとっては他にも安易に改良できそうなものがごろごろしていそうだから。だから、明日は科学文明側に行ってみることにします。みどりは、地上に戻っても良いわよ。どうする?」
「地上に戻ります。正確には町に戻ってお婆ちゃんにいくつか聞きたいことができたし」
「よし、今日は早いけれど解散ということで」

今の時刻はちょうどお昼過ぎくらい。
でも空腹って感じじゃ無いな。

「地上に戻りますけれど、何か伝言はありますか?」
「え、俺?特に何もないかな」
「分かりました。では、また」

そういうとみどりはこの部屋を出て行ってしまった。
明日は科学文明側と言ったがどうなっているのだろうか。
不安だ。
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