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36 スキルは地道に上げましょう

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「ただ、スキルについては権限で上げるとあとが大変よ。身についていないものを分かった感じになって、機械的に動かすと動かしていない身体に負担が発生する場合があるから」
「スキルに近道はないということか」
「そうね。ただし、ステータスは別。日常の動きの他、食事や薬、装備品で数値を上げることが可能だわ」
「それを駆使すれば、結構いい数字に行くと?」
「そうよ。ちょっとお値段が高いけれど、私の数値を越えることも可能よ」

スキル、スキルのレベルの話、ステータスの話をしていたら、部屋のドアが叩かれた。
グリーンが腰掛けていたベッドから降りるとドアの前に行って聞いた。

「どなた?」
「宿屋のおかみだけど、そろそろ眠る時間なので、大声を出すようなことは止めて貰えるとありがたいの」
「わかりました」

ドア前から元の位置に戻ってくると、

「私たちの声そんなに大きな声じゃなかったはずなんだけれどね」
「さっき、ドアを開けずに会話していなかったか」
「ああ、ドアのカギの横にこういうのが付いているの」

グリーンは、ドアの前まで行くと、カギの横にある小さな丸い穴を指して

「これが外の声を中に伝えてくれる伝声管よ」
「でんせいかん?」
「簡単に言えば、金属+ちょっとした魔法で声を増幅させてくれるものなの。ドアを開けずに会話ができる優れものなのよ。インターホンみたいなものという感じかしら。ドアは不用意に開けると不審者を招き入れる元凶になるからね」
「なるほど」
「これを、こうして閉めておくと外からの声や音も遮断できるけれど、緊急時とかに困るからフタは閉めないのが普通だわ」

丸い穴の横に金属製の丸いフタがあった。
丸い穴をふさぐくらいの大きさしかなかったが、これが廊下側にもあるのだろう。
よく出来ている。

「まぁ、静かにと言うことで、少し横になりましょうか。ここには、ベッドは1つしかないけれど私がもう1つ寝袋を出すわ。私はそっちで眠るけれど?」

ベッドが1つで悩んでいたのに、寝袋があると言う。
悩む必要はなかったじゃないか。
しかし、何も持っていないようなのにどこに入れてあるのだろうか?

「寝袋はどこにあるのか。何も持っていないよな」
「もちろん、収納袋よ。バックパックが四次元ポケットみたいになっているの。実際の容量以上の物が入るのだけれど、あまりにも容量が大きいせいか何が入っているのか忘れていたわ。寝袋があるって思い出したのはついさっきなの。ごめんなさい。期待した?」
「してない。まぁ、分かった」
「この収納袋には種類がいくつかあるから、あとで余っているのを渡すわね。あと、所有権固定の魔法があるからこのバックを盗むこともできないわ。中身も同じ」
「便利だな」
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