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6 審査を終えて…

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鈴木さんは、任官を了承すると部屋から他へ転送されたように消え失せた。

「彼は、居住区にある元々のお部屋に転送されたようね」
「部屋が残っていたのですか?」
「残っていたというより、使命による転生時に残置するように指示を出していたようね。居住区にはこういう部屋が結構多くあるわ」
「なるほど」
「今週の審査は、今回で終わりよ。来週また別の人の審査があるわ。毎週1人だけを何回かやってもらって、その審査状況で回数を増やすか別の仕事に付いてもらうか決定することになります。何か質問はありますか?」
「今のところは特に」
「そう、今日はお疲れ様。明日はお休みで、明後日に融合異世界の巡視を行います。さっきも言ったけれど、飛鳥みどりさんがあなたのサポートに付くことになりました。ちょっと変わった格好をしていると思うけれど、気にしないように。彼女にとってはゲームをしているということになっていますからね。ああ、飛鳥みどりさんじゃなくて、キャラネームはグリーンさんだから、話かける時に間違えないように」
「飛鳥みどりじゃなくて、グリーン?」

みどりだからグリーンか。あだ名なのかな?
ゲームと言われたけれど、今までゲームをしたことがないから何のことかさっぱりだった。
キャラネームもよく意味が分からない。
だから、実際に会ってみて『魔法』とか言われたときパニックになってしまった。
それは、日常じゃないでしょう。日常と思って巡視の意味が分からないですよ。

「それはそうと、明日の予定は何か決まっているの?」
「何も。そもそもどこに何があるのかさっぱりで。昨日も駆け出しさんと話しをしていたくらいで…」
「駆け出しさん?…は、はぁ~」

一瞬何のことか分からないという顔をした次の瞬間、合点がいったような顔付きになり、

「ならその子に色々案内させましょう。ええと、明日10時に出発できるように準備しておいてね。今日はお仕事お疲れ様~、おかえりはあちらです」

そう言って、指差した方向に開いた扉が出現。
見えない力に引きずられて、扉から追い出されてしまった。
気がつけば部屋の中。
なんだったんだ。
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