2 / 99
2 マジックボックス
しおりを挟む
家に家具は揃っていたので、安心していたらドアチャイムが鳴る。
「朝日さん、お届け物です」
だれからだろう?
ここの住所なんて知っている人がいるわけないのにと思いながらお届け物を受け取るべくドアを開く。
「朝日一郎さん。地上の自宅からの物です。こちらの箱に“全て入っています”」
「地上の家?」
「はい。元の世界で使っていた物全てです。これは入社のサービスの一環なので費用負担はありません。ご安心ください。箱の中に手を入れれば、この使い方も分かりますよ」
箱の中に手?
言われるまま箱に手を入れると、脳裏にすごい勢いで持ち物のリストが流れた。
「アイテムボックス?」
「インベントリともマジックバックとも言いますね。大した物ではないのですが、重宝しますので壊さないようにお願いします」
箱を受け取り、リビングに置く。以前の生活で使っていたものを次々に出していくが、何だゴミ袋まであるぞ。本当に前の家の物が全部入っているみたい。
パソコンデスクを出し、パソコン本体を出し、モニターを出して気づく。
コンセントはどこだ?ネットはどうやったら見られる?
部屋を見渡しても分からない。
スマホもあったが、当然繋がらず。
「こりゃ、八方塞がりだな」
そうつぶやくと、声が聞えた。
「お困りな事があれば、お答えします」
「うわ、びっくりした。なんなんだ一体」
「私は生活アドバイザーです。今のところ」
「今のところ…」
「さて、パソコンは支給されますので、その点については心配いりません。スマホ…まぁ、それも後で。他の質問があれば、お答えします。たぶん」
何か変だなとそう思った。
なぜならこの声、さっきの神と称する者と同じ音声だったから、演技しているのか?
「演技してるのですか?」
直球で聞いてみた。
「ええまぁ、色々ありまして」
直球で返ってきた。
神も色々あって大変らしい。
「あなたの上司は、天ともえと言いますが、彼女はトラブルメーカーで私の造物主でもあります。神なんて言っても私はまだまだ駆け出し。あなたも覚悟は必要かもしれませんね。私の同僚となるのですから」
これはびっくり。神の駆け出しと同僚になる。上司は天ともえさん?女性だろうな…しかし、トラブルメーカーと言われる人物は気になる。
駆け出し神と上司や生活上のアドバイスを聞いて、その日は終わった。
「朝日さん、お届け物です」
だれからだろう?
ここの住所なんて知っている人がいるわけないのにと思いながらお届け物を受け取るべくドアを開く。
「朝日一郎さん。地上の自宅からの物です。こちらの箱に“全て入っています”」
「地上の家?」
「はい。元の世界で使っていた物全てです。これは入社のサービスの一環なので費用負担はありません。ご安心ください。箱の中に手を入れれば、この使い方も分かりますよ」
箱の中に手?
言われるまま箱に手を入れると、脳裏にすごい勢いで持ち物のリストが流れた。
「アイテムボックス?」
「インベントリともマジックバックとも言いますね。大した物ではないのですが、重宝しますので壊さないようにお願いします」
箱を受け取り、リビングに置く。以前の生活で使っていたものを次々に出していくが、何だゴミ袋まであるぞ。本当に前の家の物が全部入っているみたい。
パソコンデスクを出し、パソコン本体を出し、モニターを出して気づく。
コンセントはどこだ?ネットはどうやったら見られる?
部屋を見渡しても分からない。
スマホもあったが、当然繋がらず。
「こりゃ、八方塞がりだな」
そうつぶやくと、声が聞えた。
「お困りな事があれば、お答えします」
「うわ、びっくりした。なんなんだ一体」
「私は生活アドバイザーです。今のところ」
「今のところ…」
「さて、パソコンは支給されますので、その点については心配いりません。スマホ…まぁ、それも後で。他の質問があれば、お答えします。たぶん」
何か変だなとそう思った。
なぜならこの声、さっきの神と称する者と同じ音声だったから、演技しているのか?
「演技してるのですか?」
直球で聞いてみた。
「ええまぁ、色々ありまして」
直球で返ってきた。
神も色々あって大変らしい。
「あなたの上司は、天ともえと言いますが、彼女はトラブルメーカーで私の造物主でもあります。神なんて言っても私はまだまだ駆け出し。あなたも覚悟は必要かもしれませんね。私の同僚となるのですから」
これはびっくり。神の駆け出しと同僚になる。上司は天ともえさん?女性だろうな…しかし、トラブルメーカーと言われる人物は気になる。
駆け出し神と上司や生活上のアドバイスを聞いて、その日は終わった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる