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110 お風呂へ入るには、見張りが必要です

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お風呂がある宿屋に泊まることにした。
さすがに疲れたので、こっちのお風呂はどうかなぁとおもいながらだけど。
宿泊料金は、2人1部屋で銀貨20枚だった。
あっと言う間に所持金が半分になったと思ったハジメは「高いな」とか言っていたけれど、私は虎の子の金貨30枚のお話をしてあげた。

「あら、私ここのお金持っているわよ。金貨で30枚くらい」
「ゲームのお金と違うのか?」
「ともえ様にもらったの。あの方ここの世界の通貨管理もしているから」
「通貨管理?」
「早い話が、通貨を作っているのは神さまなのよ。つまり教会からお金が流通しているの」
「なるほど?」
「だから生産元からもらったということよ。でも、滅多なことでは使わないつもりだけどね」
「それはどうして」
「だって、金貨30枚は大金よ。そんな大金持っていると分かったら狙われる。だから、隠し持っている。絶対取られない場所に」
「金貨1枚が1万円くらいか。確かに大金だ。銀貨は1枚100円?」
「そうね。そんな感じよ。銅貨は1枚10円だし」
「10円玉かな」
「違うと思うけど」
「お風呂はどうする?」
「もちろん入るわよ。外で見張っていてね」

カギもあるけれど、信頼性は低いから見張りは必要だと言っておいた。
物騒だなとも言っていたけど、まさか襲ってくることはないって。
まさか、傍にいてほしいって言えないし。
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