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90 魔法試射場にて

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あまり詳細に話しても分からないと思うから、そこの辺りは端折ろう。
間食も終わったし、早速魔法の試射場へ転移しましょう。

「ハジメ、手を繋ぎましょう」
「ん」

ハジメが手を出してきたので、握手みたいな繋ぎ方になったけれど、用は足せる。

「一番大きいのでいいか。第1試射場へ転移!」

その言葉の後には、周囲に何も無い場所に出た。
真っ平らな大地が見渡す限り続く場所。
殺風景だなぁ~、遠くの方を見ても木の1本も山の影も雲も太陽もない。
それでいて明るさはまぶしすぎないし暗くも無い。
どうなっているのか興味深いけれど、そこが目的で来たわけでも無い。
さっそく魔法の試射をしなきゃ。

「ここなら、大規模な破壊魔法だって何だって放てるわよ。ついでに魔法も打ち放題。MPなんて気にしない。ここはMPが減らない場所だから」
「MP、ああ魔法を使うと消費するものか」
「あれ?天界ではMPを使用して魔法をやっていたんじゃないの?」
「気にしなかった」
「まさかの無制限なのかな。今度ともえ様に聞いて見よう」
「ここは安全なのかい」
「ここは、私たち以外にはいないわよ。モンスターや盗賊なんていうものもいない。魔法をテストする特殊空間だから」
「それは安心だな」
「さぁて、時間は有限だから早速色々試してみましょう。あ、でも…これでよし。時間も少し速度を早めたから、ここでの1時間は外での30分になるわ。加速倍率は2倍だけど、最大10倍まで設定できるから、とりあえずは1時間くらいやってみましょう」
「りょーかい」

とりあえず、ハジメの方をフォローするか。
魔法初心者だからね。
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