運命のいたずら世界へご招待～

68 泥棒宿屋

宿屋のおかみが、周りの部屋で他の宿泊客が寝始めたので、静かにしてくれると助かると言いに来た。
わざわざ大変ね。

私たちも何かをする気も起きなかったので、静かに横になることにした。
ダブルベッドが1つだったので、私が私物の寝袋を取り出して中に潜る。

暗い中だけど眠気はない。
目を閉じて、何となく周りの音を探ってしまうのは、ゲームの影響だろうか。

午前2時くらいのことだった。

バタン。
隣の部屋のドアが閉まった音が響く。


カチャカチャ。
この部屋のカギを解錠しようとしているみたい。

入った瞬間に確保しましょうか。

カチン
カギが開いたわね。
入ってくる。

この部屋のドアが閉まる。
強烈な閃光を発する魔法を唱えて無力化することにしよう。

「デライト」

「きゃあ」

とっさに声が出てしまったらしいが、このあとは伝播させない。

「パラライズ」

相手を痺れさせて行動不能のする魔法だ。
あとは確保しなきゃね。
あれがいいかな。

「エリア遮断」

この部屋と他の空間を切り離す魔法。
こうしておくと、ここで起ったことはこれ以降聞えないし振動も伝わらない。

さて入って来たのは誰なのか。
女2人に男1人か。

痺れているので、動けない状態。
ちなみに、こちらの声もよく聞えない状態にもなっている。

さっきのおかみと男女の冒険者っぽい人だな。
やれやれ、ここは冒険者ギルド推奨の泥棒宿屋だったらしい。

しかし、このおかみは厄介だな。
拘束保管するか。