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56 エレベーターは1人で乗りましょう

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「かわいいパジャマね」

部屋に入ってきたともえ様の第一声はそれだった。
そういえば、着替えていなかった。

「あ、いけない着替えて…」

着替えてくると言おうとしたら、あっと言う間に昨日新品同様になっていた洋服に着替えられていた。
元のパジャマがどうなったのかは知りたいけれどいいか。

「お待たせしました」
「大丈夫、待っていないから。瞬間着替え、すごいでしょ」
「ええ、びっくりしました」
「私もよくやるわ。あらかじめ着替えたい服を用意しておくといいわよ。ま、イメージ通りの服にも着替えられるから用意も必要ない場合もあるけれど、それだと自力で着替えようとしなくなったり、お買い物に出かけようと思わなくなったり、怠け者になっちゃうから注意してね」
「あ~、なんだかよく分かる気がする」
「用意は終わっているようなので、転移部屋に向いますか」
「必要なものはないので、行きましょう」

ともえ様と2人で部屋を出て、あの部屋を目指す。

「ここでどれでもいいのでエレベーターに乗って、着いたら降りる」
「エレベーターなのに階数表示がないのですね」
「世界樹って階数いくつあると思う?」
「100階以上でしょうか」
「正解は、分からない…よ」
「分からない?」
「それぞれの行き先に的確に到着させるから、乗るだけでいいの。目的の階に自動で行くから。いきなり個室へ案内される人もいるから。ただし、注意点はあるわ。今回のように2人で乗るのは例外なの。基本は1人で乗って、同乗者はいないこと。そうしないと目的の階に着けないから。だから2人で乗ってしまったら、1人は追い出すか自分から降りること」
「なるほど」
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