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52 世界樹の幹の中

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「とりあえず、今日はここで眠るってことですね」
「準備はもうできているわ。というか、要望があれば直ぐにできるけれど」
「便利ですね。お布団があればもう寝ます」
「食事は?」
「そっか、それもそうだけど何だか食べる気にならなくて」
「無理、してない?」
「していないつもり。そうね、少し寝てから食べようかな」
「コア・ブレインにお願いすれば、すぐに用意ができるわ」
「分かりました」
「私は行くわ。明日の朝、迎えに来るわね」
「はい。おやすみなさい」

ともえ様はここを出て行った。
部屋をぐるっと見渡す。
ともえ様が出て行った方が玄関ならその反対側は窓…小さいけれどバルコニーになっていた。
なんとなくそちらへ行って、外を見てみる。

「な、なんだこれ」

バルコニーから外を見るとここと同じようなバルコニーが無数にあった。
ここと同じということは、これだけの人がここに住んでいることになる。
ふと、ここは木の幹にあたる部分だと思った。
それにしても大きな木ね。
世界樹って言っていたわね。

ベランダから部屋の中へ。
テレビ代わりの白い壁。
プロジェクターで映すのだろうか。
リクライニングシートが1つ、テーブルと椅子が2脚。
ちょっとしたキッチンスペース。
トイレとバスルームがないな、どうするのか。

「必要とあらばすぐに生成できます」

これは、コア・ブレインかな。

「設備を使用する時だけ、生成しています。未使用時は無存在状態です」
「必要なら言えばいいのね」
「強く思ってもらっても大丈夫です」
「なるほど」
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