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51 知っていた

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転生者と聞いても「ああそうなんだ」という感じ。
あまり新鮮味がないかな。
この話、巫女の間では日常会話的に出るものの一つで集合意識体とか並列意識とかも話に上がってくる。
実際のところ私の中に私ではない何かがいると知覚したことが何回かあった。
たぶんこれが前世の私。
私たちなのだろうと思っていた。
だから、別格とか次期天使とか言われてもねぇ。
ゲームのキャラクターも似たような部分があって、自分じゃない別の自分がそこに別の生活をしているという感覚。

「待っていてねとのことですけれど、天使にはなりませんよ。まだまだしたいことが山ほどありますからね」
「そう言えばそうだったわね。前にも言われたわ」
「前にも」
「あなたの前世にも」
「やっぱり」
「知っていたの?」
「ええ、たまに私じゃない私が語りかけてきたことがあって、そこで色々と」
「そっか。天使になってもらえたら…と思ったのだけど、うまくいかないわね」
「私以外にも候補はいますよね」
「いるわよ。町の巫女は、全員候補みたいなものだから」
「そこから選べばいいじゃないですか」
「当然、選んでいるわよ。飛鳥さん以外にも3人いるわ。ただ、タイミングを見てという条件があるけれどね」
「あってないような条件ですね」
「まぁね」
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