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27 現実とゲームと腰痛と

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「でも、これに慣れてもらわないとこれから大変かもよ。現実とここだと身体の作りが違うということだからね。現実でここと同じように動いたら腰、やっちゃうかもよ」
「そうか、そうだな」

私も現実との乖離で大変だった時期がありました。
それからやりすぎないようにしたのだったけれど、今回の場合はどうなるのかしら。私もなんとなく元のグリーンと違う気がするのよね。もちろん、現実の私との差は言うまでもなく大きい。

「とりあえず町まで行ってみましょう」
「分かった」

歩きながらハジメは、身体の具合を確認しているようだった。
私もしておこう。

2人して、この世界に入った時の身体の具合を確認しながら歩いている。
端から見れば、おかしい人がいるとなるが幸い周囲には誰もいなかった。

「この分岐点をこっちへ行くと街の中心方向へ行けるみたい。こっちは、街壁への近道みたい。街へ早く行きたいならこっち」
「近道の方へ行こう」
「ならこっちよ」

分岐点から近道に入るとしばらくして街を守る大きい壁が見えてきた。

「意外と大きいわね」
「城壁とは違う石組みだな」

レンガを積み重ねている感じの組み方なのだが、所々丸い穴が開いている。
あれは何だろうか?
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