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15 昇格の昇降路

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「さぁ、行きましょうか」

そう言うとともえ様は手を伸ばして、掴んだ!

「逃げませんよ?」
「分かっているわよ。直接行くのに面倒な手続きをしないための良策なのよ、これ」

そんなに問題がある場所なのだろうか。目的地は、一郎さんの安否が気に掛かる。

「ああ、それと一郎さんの上司ってことになっているから、あの町の関係者って言うことは内緒ね」
「あれ?一郎さんは知らないの?」
「あの町の女性は全員が私の事を知っているけれど、男性は基本的に神主と家主しか知らないのよ。まぁ、男性陣は天神さまの領分ね」
「天神様のことも私は知っていますが」
「女性の方は、それ以上のことも知っているでしょ」
「ええまぁ、私もある意味関係者ですから」

ある意味関係者。出身の町は変な町で、女性は全員が巫女という話し。
地上界と天界の中間地点にあるとされる変な風に時空が歪んでいるとか言われる。
女性は天使なんだとか?

「行く先は、聞いたことがあるでしょう。昇格の昇降路よ」
「…ユグドラシルシステムですか?」

世界樹とも言うわね。
地上と天界を結ぶ唯一の通行路というか、居住地というか。
一郎さんのいる場所は、その世界樹の幹みたいな場所だったらしい。
何階当たりかな。
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