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第5話 大騒ぎになってた。
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翌日、学校へ行くと大騒ぎになっていた。
それはそうか。
誠兄さんが真横に来て、私を見て微笑んでくれる。
それだけで、大騒ぎになってしまう。
しばらくして、教室に別のクラスの元婚約者さま=毅君が来た。
誠兄さまを睨み付けた上で、こっちを向き
「誠と婚約したらしいな。お前が流したんだろ。このウワサは。全くデマを流すなんてな。それはそうと、あの女に何を言った?もう、お子様の相手はしないと言われたぞ」
そう言うと、いきなり殴りつけてくる。
もちろん、誠兄さまはその腕を掴む。
私も逸らすために手を上げたのだけど、必要なかったみたい。
掴まれた腕を強引に引き取ると、
「誠。何を邪魔する。お前も葵とグルになって婚約したというウワサを流したんだろう」
「毅。葵は私の妻なんだから当然。いや、それでなくても大切な人に暴力されそうになれば、庇うのが当たり前だろ」
「妻?」
聞き慣れない言葉を聞いたのか、その言葉を繰り返してしまう。
「妻?なんだそれ、ははっ、願望かよ。誠。葵がいるのに願望を言うなんてバカだな」
怒濤の一昨日、昨日を知らなければ言える言葉。
私も急展開過ぎて、一部が欠落している感じがするけれど、
「妻。大切な人。当たり前に庇ってくれる」
その言葉に反応する。
「ほらみろ、葵も無自覚だったらしいぞ」
そんな時に、毅君と仲が良かった女の子が近寄ってきた。
「葵ちゃん…じゃなくて葵さん?バカ父の伝言があるの」
わざわざ言い直すこともないのに。
「なんだ、戻ってくれるのか。…バカ父?」
「今回の事は申し訳なかった。全て私の責任だ。何か困ったことがあれば言って欲しい。それと今度の飲み会楽しみにしている…だって。私も久しぶりに行っていいでしょ」
「うん。大歓迎」
周りの人は驚いていた。
毅君と仲が良かった女の子と私が知り合い、しかも仲が良いことに。
いや、前から仲が悪いっていう雰囲気作っていなかったと思うけれど。
「バカ父?戻ってきてくれたんじゃなかったのか」
「はは、バカは一昨日きやがれ!いや、一昨日でも葵さん…葵ちゃんの悪口を言うやつはお断りよ」
「な…」
身に覚えがあるのか、絶句している毅君。
「あ~私がこんなのに捕まっている間に葵ちゃんが結婚したなんて、私も結婚式に出たかったよ」
「結婚式…だと」
婚姻届を提出した時のあれは、結婚式だったらしい。
それは、あれだけの規模になればそうか。
次は2回目だねと、誠兄さまに、こそっと小声で言われてしまった。
なんとなく、頬が熱い。
「ん~、かわいいな葵ちゃん。おもわずいじりたくなっちゃう」
「う~」
「ごめんごめん」
それはそうか。
誠兄さんが真横に来て、私を見て微笑んでくれる。
それだけで、大騒ぎになってしまう。
しばらくして、教室に別のクラスの元婚約者さま=毅君が来た。
誠兄さまを睨み付けた上で、こっちを向き
「誠と婚約したらしいな。お前が流したんだろ。このウワサは。全くデマを流すなんてな。それはそうと、あの女に何を言った?もう、お子様の相手はしないと言われたぞ」
そう言うと、いきなり殴りつけてくる。
もちろん、誠兄さまはその腕を掴む。
私も逸らすために手を上げたのだけど、必要なかったみたい。
掴まれた腕を強引に引き取ると、
「誠。何を邪魔する。お前も葵とグルになって婚約したというウワサを流したんだろう」
「毅。葵は私の妻なんだから当然。いや、それでなくても大切な人に暴力されそうになれば、庇うのが当たり前だろ」
「妻?」
聞き慣れない言葉を聞いたのか、その言葉を繰り返してしまう。
「妻?なんだそれ、ははっ、願望かよ。誠。葵がいるのに願望を言うなんてバカだな」
怒濤の一昨日、昨日を知らなければ言える言葉。
私も急展開過ぎて、一部が欠落している感じがするけれど、
「妻。大切な人。当たり前に庇ってくれる」
その言葉に反応する。
「ほらみろ、葵も無自覚だったらしいぞ」
そんな時に、毅君と仲が良かった女の子が近寄ってきた。
「葵ちゃん…じゃなくて葵さん?バカ父の伝言があるの」
わざわざ言い直すこともないのに。
「なんだ、戻ってくれるのか。…バカ父?」
「今回の事は申し訳なかった。全て私の責任だ。何か困ったことがあれば言って欲しい。それと今度の飲み会楽しみにしている…だって。私も久しぶりに行っていいでしょ」
「うん。大歓迎」
周りの人は驚いていた。
毅君と仲が良かった女の子と私が知り合い、しかも仲が良いことに。
いや、前から仲が悪いっていう雰囲気作っていなかったと思うけれど。
「バカ父?戻ってきてくれたんじゃなかったのか」
「はは、バカは一昨日きやがれ!いや、一昨日でも葵さん…葵ちゃんの悪口を言うやつはお断りよ」
「な…」
身に覚えがあるのか、絶句している毅君。
「あ~私がこんなのに捕まっている間に葵ちゃんが結婚したなんて、私も結婚式に出たかったよ」
「結婚式…だと」
婚姻届を提出した時のあれは、結婚式だったらしい。
それは、あれだけの規模になればそうか。
次は2回目だねと、誠兄さまに、こそっと小声で言われてしまった。
なんとなく、頬が熱い。
「ん~、かわいいな葵ちゃん。おもわずいじりたくなっちゃう」
「う~」
「ごめんごめん」
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