ざまぁ!!

夜空のかけら

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第2話 お父さん

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その日の夕食後、家族での団欒で今日あったことをみんなに話す。

「そんなことを言われたのか。いいじゃないか、この際だからあのバカとの婚約も破棄してしまえ。電話するぞ」

なぜか、お父さんがお父様に電話すると嬉々としている。

我が家には、お父様とのお家との専用回線ほっとらいんがあるのだ。
よくは知らないが警備上の問題なのだとか。

「あ~、俺だ。俺。今、いいか?」
「いいぞ。やっぱりやったか?」
「そうだ、やったぞ。これで進めそうだ。あいつにも知らせないとな」
「今度3人で飲もう。いい加減、相手をするのも疲れた。これ以上成績が落ちるのも評判を落とすのも困ると言っていたぞ」
「それは、悪いことをした」
「ああ、セッティングはこっちでしていいな」
「いつもの、頼むぞ」
「おう」

会話は、スピーカーモードで全員に聞えていた。
その中で、気になる言葉が。

成績が落ちる。
評判を落とす。

これって…

お父さんとお父様、それにたまに絡んでくるもう1人の男性。
男性とは面識がある。そういえば、なんだか似ているわね彼女と。今まで気がつかなかったけれど。
3人は学友で飲み友達で、たまに家に泊まっていく。
家はそんなに広い訳ではないのにね。

お父様の家の警備員曰く、物理的にも近いので日常的にも警備がしやすいのだそうだ。
いつも、助かっています。
宅配便も受け取ってくれるとか。

それはいいの。

気になる言葉から類推するなら、婚約者さまは試されていたの?

「葵、あのバカとは婚約白紙だ。さっき決まった。その代わり、あいつの兄はどうだ?昔から乗り気だったぞ。誠は。明日会ってこい。いや、こっちへ呼んでも良いぞ…そうだ、今呼ぶのも良いか、待ってろ」

専用回線ほっとらいんを再度開いて

「ああ、誠を借りるぞ、善は急げだ。こっちで途中までやってしまおう」
「それはいい。文書は必要か?もう作ってあるぞ」
「いつから用意してあった?」
「始めからだ。ああ、誠。お隣へ行ってくれ。いよいよだぞ」
「…親父、恥ずかしいから、言うなよ」
「じゃあ、あとで」

展開が早く過ぎて、何が起きているのだろうかと…。

お父様と誠兄さまがご来訪。
お父様はバックから酒瓶が見える。
何をしに来たのだろうか。

「いいな。誠。異存は…」
「ない」
「葵ちゃん。誠と一緒になることに問題があるかい。あのバカ毅とは縁がなかったんだ」
「ないです。どうしよう」
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