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第135話 4個のシルバーリング

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「「ありがとうございます」」

誠くんと真名ちゃんは、ほぼ同時にお礼を言った。

「何か悪いですね。前払いということですが、なるべく早くと思ってしまいます」
「あ、それが目的ね。秋穂?」
「まぁね」

指示通りの姿形に、銀が姿を変えていく。
と、その銀に夕陽が聞いてくる。

「サポートいる?」
「できれば」

夕陽と銀との短いやりとりのあと、周囲がいきなり真っ暗になった。

「ゆ~う~ひ~。いきなりは、だ・め」
「ああ、ごめんなさい」

頭上に出たのは、真円の白い月。
左右にも三日月のように見える赤と青の色を放つ物が出る。

「助かる」

銀の言葉が、その神秘的な夜空に流れる。

その言葉で、変形中の銀が光る。
銀色に光ると言えばいいのか、寒気を感じさせる光で、なんとなしに身体が冷えてしまう感じが出た。

「いいぞ」

その言葉で、夕陽が言う。

「元通りにするよ。いい。目は…少し閉じていた方がいいな」

その言葉の後に、急速に時間が巻き戻されるように昼間に戻った。

「完成だ」
「4つ。うん。あるわね。きちんと銀の付与もある。加護は私のものを使うから…これで完成。誠くんと真名ちゃん。互いに左手薬指に入れてね」
「おいおい、まずくないか?」
「どうして?」
「兄妹で結婚するわけじゃないから」

トーコが、さっきの指突きで肩をついてくる。

「ん、なんだ」
「別に結婚という訳じゃなくてね。絆を強くするっていう意味もあるの。兄妹としての絆を考えた…のよね。秋穂?」
「そ、そうなのよ。うんうん」
「なぜか、怪しいと感じるのは何故なんだろうな」

「「ありがとう」」

そうは言っても、渡され、かつ、それの意味することを知った2人は、礼儀正しくお礼を言っていた。

「それは、そうと秋穂?加護って何よ」
「加護はね。神忠製金属の加護」
「分からないわよ」
「神忠製の金属が2倍手に入るっていうものでね、貨幣と合わせると分裂して2枚になるの」
「使用回数とかあるの?」
「ないわ。だから、お金に困ることはなくなるし、所持者制限とか盗難防止とかも付与してあるし、毒抜きとか浄化とかは、シルバーがくっつけたから、これさえあれば、色々便利、間違いなし」
「またそんな効力を得るものを作って…」

「疲れたよ。そろそろ休ませてもらいたいの」
「あらあら、もう年ですか」
「銀だけに、シルバーなんでな」
「硬貨がいいかしら。元山がいいかしら」
「元山で、硬貨なぞ休んだ感じにならん」
「では、真穂お願い」
「じいちゃん、お帰り~。はい」

残っていた銀が全て真穂の炉に落とされて、シルバーさん?は帰って行ったらしい。
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