遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

第97話 レベルランク制

「スキルというのは、知っている通り行動に対する能力のことを言う。経験は、その行動を行うことで得る値のことだ。経験増えれば、レベルも上がるというものだ。これが一般的なRPGにあるスキル上昇テーブルだが、私すら面倒だと思うものがこの世界に導入されているもう１つの指標。それがランクというものだ」
「さっきから魔法ランクと聞いていますが、それですか？」

思わず質問してしまった。
経験値とレベルの関係は簡単だ。
使えば増える。

「そうだ。経験値とレベルの関係は、使えば増える。つまり、成功しようが失敗しようが増える場合がある。戦闘などでの経験は、こうした座学での勉強よりも早く、そして多くの経験値がもらえ、レベルも上がっていく。レベルには、上限があったり経験値を得るのにより凶暴な等の強敵を倒す必要がある。しかしだ、そんなモンスターがそこら辺にごろごろいる訳じゃない」
「あ～、この世界は一応現実だからね。そんなのごろごろ居たら、みんな逃げるって」

一応現実という言葉が出た。
現実な訳ないじゃないか。

「そうだ。“レベルは使用すれば経験値で上がる”。それに対して“ランクは成功しないと上がらない”。もちろん、ランクにも経験値に似たものはあり、その値でランクアップになる」
「トーコに聞いたことがあります。生活魔法を使い続けることで、ランク１には魔法ランクが上がると」
「そうだ。一般的には１０種の生活魔法を使い続けることによってランク１に上げることが可能だ。ただし、平均１年半は必要だが」
「平均ですか？」
「魔力は使い切ると翌日に使った魔力をランダムで１ポイント上昇する。生活魔法の種類で同じだけ使用した場合は、その分だけの上昇になるので、他と違い早くランク１になるということだ。生活魔法は、ほとんど成功するから使い続けると良い。もちろん始めのうちはね」
「スキルを使う＝レベルが上がる。成功を積み重ねる＝ランクが上がる。で合っていますか」
「合ってる」

誠とまなちゃんは、認識が追いついていないようだが、俺も複雑すぎてどうなっているのか、分からない部分が出てくる。

お？

「経験は、パーティを作れば早く上がるって、思います」

誠は、そんなことまで知っているのか。
やっぱり今の子どもは恵まれているのかもしれないな。

しかし…

「この世界では、高レベル者に低レベル者が着いていっても、レベリングができないようになっている。パーティメンバーであっても、メンバー個人がそれなりの行動をしなければ、取得できない」