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第9話 眷属

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「悪かったわ。まさかあそこまで気に入るとは思わなかったから」

 トーコは、そう言うと歩みを止めて頭を下げた。

 今は、掘りごたつから出てドームの中央に戻る道を歩いている。
 来た時のドアは、緊急用の脱出ドアで一方通行なんだそうだ。
 しかも、神格持ち専用。
 俺は、トーコのおかげで利用できたとか。

 そして、ドームに戻る道は、らせん階段になっていた。
 ドームを中心としたもので、らせん階段の外側の壁には、色々な画像が動いている。
 たまにそれを見ながら歩く。
 それをトーコが説明する。

「これは?」
「ああ、これは世界が重なる前の状態ね」
「コップの中に星が見えるが?」
「ともえ様は、2つのコップの中に世界構築をしていたの」
「コップで世界って作れるとは…」
「ともえ様だからよ。世界構築のお仕事だったし、最初だけど」
「ともえ様って、かなり高位の…か?」
「まぁ、そうね。上から数えた方が早いわね」

 思った以上に高位の神さまだった。
 なんとなく従ってしまうのは、その影響か。

「トーコは?」
「え?」
「高位か?ともえ様と同等か、それ以上の口調をしていたが?」
「ああ、高位でも低位でもないわよ。私は、ともえ様の眷属だから。一応、同僚でもあるから、高位とも言える…かも?」
「疑問形」
「まぁ、いいじゃないの。早く、行きましょう」

 そう言って、俺の手を引きながららせん階段を登っていく。
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