4 / 4
4 婚約者決定
しおりを挟む
婚約者争奪戦を制して婚約者になったのは、公爵系の令嬢だった。
概ね予想されていた感じではある。
僕もこの人ならと了承したのは、姉によく似た雰囲気を持っていたからだ。
そう、僕はあんなことを言ったのに姉のことが忘れられない。
でも謝りに行けていないのも事実。
葛藤があるのだ。
謝りたい。
でも、もう時間がない。
6歳の誕生日に僕の適性職業が出てしまう。
王族としては一番下になる僕には、王族に関係する職業が出ることは少ないと予想されていた。
事実、姉の適性職業は“夢見の魔法”これが何を意味しているのか、分からなかった。
夢を見た。
見たのは、あの場面だ。
そこには、去年追い出してしまった姉がいた。
微笑んでいた。
“いつになったら謝りにくるの?いつまでも待っているわよ”
というメッセージが頭の中にすっと入って来た。
夢の中だった影響なのか、姉に謝っていた。
「ごめんなさい。あの後に何度も後悔したから、戻ってきて」
「ここじゃなくて、あなたが動かないと何も変わらないわ。自分の能力で道を開きなさい」
その懐かしい声と共に目覚めた。
夢だったのか?
いいや、全部覚えている。
今も僕が謝るのを待っている。
行かなきゃ。
だが、6歳の誕生日は明日だ。
適性職業を見るのは、明日。
今日、城を出て姉の元に行くことは出来ない。
早く早くと気がせいても時間はゆっくりと進む。
…?
ふと気がついた。
姉は
「自分の能力で…」
と言っていた。
姉は、僕の適性職業を知らないはず。
そもそも自分でも知らないものをどうやって知ったのだろう。
不思議に思ったが、その後は明日の準備でバタバタしてしまい、その疑問も答えが分からないまま当日を迎えることになったのだ。
概ね予想されていた感じではある。
僕もこの人ならと了承したのは、姉によく似た雰囲気を持っていたからだ。
そう、僕はあんなことを言ったのに姉のことが忘れられない。
でも謝りに行けていないのも事実。
葛藤があるのだ。
謝りたい。
でも、もう時間がない。
6歳の誕生日に僕の適性職業が出てしまう。
王族としては一番下になる僕には、王族に関係する職業が出ることは少ないと予想されていた。
事実、姉の適性職業は“夢見の魔法”これが何を意味しているのか、分からなかった。
夢を見た。
見たのは、あの場面だ。
そこには、去年追い出してしまった姉がいた。
微笑んでいた。
“いつになったら謝りにくるの?いつまでも待っているわよ”
というメッセージが頭の中にすっと入って来た。
夢の中だった影響なのか、姉に謝っていた。
「ごめんなさい。あの後に何度も後悔したから、戻ってきて」
「ここじゃなくて、あなたが動かないと何も変わらないわ。自分の能力で道を開きなさい」
その懐かしい声と共に目覚めた。
夢だったのか?
いいや、全部覚えている。
今も僕が謝るのを待っている。
行かなきゃ。
だが、6歳の誕生日は明日だ。
適性職業を見るのは、明日。
今日、城を出て姉の元に行くことは出来ない。
早く早くと気がせいても時間はゆっくりと進む。
…?
ふと気がついた。
姉は
「自分の能力で…」
と言っていた。
姉は、僕の適性職業を知らないはず。
そもそも自分でも知らないものをどうやって知ったのだろう。
不思議に思ったが、その後は明日の準備でバタバタしてしまい、その疑問も答えが分からないまま当日を迎えることになったのだ。
0
お気に入りに追加
7
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
もう一度だけ。
しらす
恋愛
私の一番の願いは、貴方の幸せ。
最期に、うまく笑えたかな。
**タグご注意下さい。
***ギャグが上手く書けなくてシリアスを書きたくなったので書きました。
****ありきたりなお話です。
*****小説家になろう様にても掲載しています。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる