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4 婚約者決定

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婚約者争奪戦を制して婚約者になったのは、公爵系の令嬢だった。
概ね予想されていた感じではある。

僕もこの人ならと了承したのは、姉によく似た雰囲気を持っていたからだ。
そう、僕はあんなことを言ったのに姉のことが忘れられない。
でも謝りに行けていないのも事実。

葛藤があるのだ。
謝りたい。
でも、もう時間がない。
6歳の誕生日に僕の適性職業が出てしまう。

王族としては一番下になる僕には、王族に関係する職業が出ることは少ないと予想されていた。
事実、姉の適性職業は“夢見の魔法”これが何を意味しているのか、分からなかった。

夢を見た。

見たのは、あの場面だ。
そこには、去年追い出してしまった姉がいた。
微笑んでいた。
“いつになったら謝りにくるの?いつまでも待っているわよ”
というメッセージが頭の中にすっと入って来た。

夢の中だった影響なのか、姉に謝っていた。

「ごめんなさい。あの後に何度も後悔したから、戻ってきて」
「ここじゃなくて、あなたが動かないと何も変わらないわ。自分の能力で道を開きなさい」

その懐かしい声と共に目覚めた。
夢だったのか?
いいや、全部覚えている。
今も僕が謝るのを待っている。
行かなきゃ。

だが、6歳の誕生日は明日だ。
適性職業を見るのは、明日。
今日、城を出て姉の元に行くことは出来ない。
早く早くと気がせいても時間はゆっくりと進む。

…?
ふと気がついた。
姉は

「自分の能力で…」

と言っていた。
姉は、僕の適性職業を知らないはず。
そもそも自分でも知らないものをどうやって知ったのだろう。

不思議に思ったが、その後は明日の準備でバタバタしてしまい、その疑問も答えが分からないまま当日を迎えることになったのだ。
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