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第1章 ~信頼と信用、壁を越えて~
第1話 全滅
しおりを挟むそれは突然だった。突如空が暗くなったかと思うと次の瞬間、無数の魔物が砦に攻めてきた。この砦はもともと多種の人々が集まって1つの街として作られた場所。人々は当たり前の生活をし、永久の平和を当たり前のように感じていた。しかし、その平和は突如として無くなった。
砦の門は破られ、魔物の攻撃により兵士は次々と倒れる。
そんな中、背中に2つの砲塔を背負い、鎧や兜を着込んだ1人の男、通称「砲兵の」ナオは兵士長と共に隠れ部屋の扉の前まで来ていた
「お前はここで人を守ってくれ」
そう話した兵士長、声や表情からして焦っているようだ。しかし、それに反論した。
「兵士長、私が近接戦が苦手なのはご存知でしょう?」
そう答えたナオ、それもそのはず彼の武器は背中に担いでいる2つの砲塔彼はそれを巧みに使った攻撃を得意としていた。それに彼の砲塔は彼特注品のもの、彼が自ら鍛冶屋に頼んで作ってもらったもの、初陣で使えない状況に置かれているのに不服なのだ。それに対して兵士長は焦りながらも
「分かっている。だがしかし、お前はまだ新兵、まともな訓練を受けてない。戦線で戦わせるよりも、ここで守らせたほうが生存率が高いと考えたからだ」
と冷静にそう答えた兵士長
「…分かりました」
彼は不服そうな顔をしながらそう答えて扉の前で待機する形で立った。兵士長はそれを見て「頼んだ」と小さく言うと、そのまま外へ出て行った。それを見届けたあと、彼は小さく溜息をつき
「俺も戦えたらなぁ…」
と小さく声を漏らした。未だに聞こえる人の声、断末魔と思われる叫び声、魔物の咆哮、それが彼を外に出たいという欲望を膨らませた。
「…行ってみよう、行かなきゃ何も分からない」
そう心の中で決めて歩き出した。
その時、グラグラと揺れた。
「なんだ、地震か?」
しかし、すぐに揺れは収まった。それを感じて彼は
(なんだ?すぐ収まったぞ?)
と思い、また歩こうとした時、何かがパラパラと降ってきた。
「ん?なんだ?」
彼がそう言い、上を見ると
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しかし、出口まであと半分というところでまた揺れが起こった。今度は彼は何が起こっているのかはっきり分かった。
「魔物のやつら…何かで地面を揺らしてるのか!」
彼は焦りながら走った。とにかく走った。しかし…天井が耐えきれず崩れた。天井を支えるために設置した岩と共に
そこで彼の意識は切れた。大きな音と共に
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