282 / 356
2018年
ゴハンツブ
しおりを挟む
あなたへ
先日、あの子と一緒に、
オケラをインターネットで調べながら、
私が幼い頃に捕まえて遊んでいた「ゴハンツブ」のことを思い出していました。
今となっては、ゾッとしますが、
幼い頃は、虫が平気だった私。
カマキリ
バッタ
カブト虫
クワガタ
カミキリムシ
蝶々
トンボ
蝉
近所で捕まえた虫は、なんでも虫かごに入れて観察していたあの頃。
私の一番のお気に入りは、ゴハンツブと呼んでいた小さな虫でした。
庭に生えていた、青い実の成る植物付近でよく見かけたその虫は、
丁度、米粒くらい。
大きさも形も、米粒によく似ていた、ピョンピョン飛ぶ虫。
色は、緑、白、黄色、ピンクの4種類。
名前を知らないその虫が、
ご飯粒が飛んでいるみたいに見えたことから、
「ゴハンツブ」と呼んでいたことを話した私に、あなたは、言いましたね。
俺、そんな虫、知らないよ
それ、幻じゃないの?
大丈夫?って。
笑いながら、私をからかったあなた。
ねぇ見て、ピンクのゴハンツブみつけたよ
本当だ、僕は緑のゴハンツブしかみつからないよ
ピンクのゴハンツブは、あまりいないんだよね
確かに、近所のたっくんと、しーちゃんと一緒に遊んだ記憶。
いつかのあなたに、からかわれたことを思い出した私は、
ゴハンツブと呼んでいたあの虫の正体を探るべく、
虫の画像に戦きながら、長時間に渡り、
インターネットで検索してみました。
今は、何でもインターネットで調べられる時代。
にも関わらず、
ゴハンツブを見つけることは出来ませんでした。
何故でしょうか。
幼い頃の記憶とはいえ、確かな記憶。
何度も捕まえては、観察していたゴハンツブは、
あなたが言っていたように、幻だったのでしょうか。
それなら、
近所のたっくんとしーちゃんも・・・?
確かに、同じものを見て、一緒に成長し、
幼稚園も小学校も一緒に通っていたはずの私の友達。
全てが幻だったのでしょうか。
「見て、ゴハンツブみつけたよ」
あの頃の、
たっくんとしーちゃんの笑顔が、鮮明に蘇ります。
秋も深まり、肌寒くなりました。
何故か、寒気がしたのは、季節のせいでしょうか。
2018.09.28
先日、あの子と一緒に、
オケラをインターネットで調べながら、
私が幼い頃に捕まえて遊んでいた「ゴハンツブ」のことを思い出していました。
今となっては、ゾッとしますが、
幼い頃は、虫が平気だった私。
カマキリ
バッタ
カブト虫
クワガタ
カミキリムシ
蝶々
トンボ
蝉
近所で捕まえた虫は、なんでも虫かごに入れて観察していたあの頃。
私の一番のお気に入りは、ゴハンツブと呼んでいた小さな虫でした。
庭に生えていた、青い実の成る植物付近でよく見かけたその虫は、
丁度、米粒くらい。
大きさも形も、米粒によく似ていた、ピョンピョン飛ぶ虫。
色は、緑、白、黄色、ピンクの4種類。
名前を知らないその虫が、
ご飯粒が飛んでいるみたいに見えたことから、
「ゴハンツブ」と呼んでいたことを話した私に、あなたは、言いましたね。
俺、そんな虫、知らないよ
それ、幻じゃないの?
大丈夫?って。
笑いながら、私をからかったあなた。
ねぇ見て、ピンクのゴハンツブみつけたよ
本当だ、僕は緑のゴハンツブしかみつからないよ
ピンクのゴハンツブは、あまりいないんだよね
確かに、近所のたっくんと、しーちゃんと一緒に遊んだ記憶。
いつかのあなたに、からかわれたことを思い出した私は、
ゴハンツブと呼んでいたあの虫の正体を探るべく、
虫の画像に戦きながら、長時間に渡り、
インターネットで検索してみました。
今は、何でもインターネットで調べられる時代。
にも関わらず、
ゴハンツブを見つけることは出来ませんでした。
何故でしょうか。
幼い頃の記憶とはいえ、確かな記憶。
何度も捕まえては、観察していたゴハンツブは、
あなたが言っていたように、幻だったのでしょうか。
それなら、
近所のたっくんとしーちゃんも・・・?
確かに、同じものを見て、一緒に成長し、
幼稚園も小学校も一緒に通っていたはずの私の友達。
全てが幻だったのでしょうか。
「見て、ゴハンツブみつけたよ」
あの頃の、
たっくんとしーちゃんの笑顔が、鮮明に蘇ります。
秋も深まり、肌寒くなりました。
何故か、寒気がしたのは、季節のせいでしょうか。
2018.09.28
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる