拝啓、空の彼方のあなたへ -1000の手紙-

emi

文字の大きさ
上 下
74 / 356

最後の手段

しおりを挟む
あなたへ

先日、進路のことや将来の話をしてから、
あの子は、少しずつ、変わってきたように思います。

また以前のように、
遊ぶ日と、遊ばない日を自分で決めて、
勉強に取り組み、将来のことを真剣に考えるようになりました。

ただ、時々ね、
プレッシャーからなのか、やる気はあるのに、なかなか思うように進まなかったり、
集中力に欠ける日もあるようです。

今は、あの子にとって、とても苦しい時期。

あの子の手助けが出来るような方法を探しながら、私が辿り着いたのは、
お小遣い制度でした。
テストで良い点がとれたら、ご褒美に、お小遣いをあげるよって。

これは、私の中での最後の手段です。

勉強は、自分のためにするもの。
これまでの私は、ずっと、
そんなふうに、あの子に教えてきました。

この方法が、最善であるのか、どうなのか、
判断し兼ねながらの決断でしたが、
あなたなら、こんな時、どうするのかなって、
そんなふうに考えた時に、
ふと、頭に思い浮かんだのは、
テストで良い点をとって帰ってきたあの子の頭を撫でながら、
お小遣いをあげるあなたの姿でした。

よく頑張ったねって。

あの子が頑張れるのなら、やり方を変えてみてもいいのかなって、
そんな気がして、この制度を取り入れることに決めました。

そうしたらね、あの子ったら、想像以上に、頑張るようになって、
ここ最近は、嬉しそうに、
テストの点数を、発表してくれるようになりました。

もちろん、
お小遣いお願いします なんて、にんまりとしながら。

悩んで出した結論でしたが、大成功だったようですよ。

 
2016.11.18
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クルマでソロキャンプ🏕

アーエル
エッセイ・ノンフィクション
日常の柵(しがらみ)から離れて過ごすキャンプ。 仲間で 家族で 恋人で そして……ひとりで 誰にも気兼ねなく それでいて「不便を感じない」キャンプを楽しむ 「普通ではない」私の ゆるりとしたリアル(離れした)キャンプ記録です。 他社でも公開☆

島猫たちのエピソード2025

BIRD
エッセイ・ノンフィクション
「Cat nursery Larimar 」は、ひとりでは生きられない仔猫を預かり、保護者&お世話ボランティア達が協力して育てて里親の元へ送り出す「仔猫の保育所」です。 石垣島は野良猫がとても多い島。 2021年2月22日に設立した保護団体【Cat nursery Larimar(通称ラリマー)】は、自宅では出来ない保護活動を、施設にスペースを借りて頑張るボランティアの集まりです。 「保護して下さい」と言うだけなら、誰にでも出来ます。 でもそれは丸投げで、猫のために何かした内には入りません。 もっと踏み込んで、その猫の医療費やゴハン代などを負担出来る人、譲渡会を手伝える人からの依頼のみ受け付けています。 本作は、ラリマーの保護活動や、石垣島の猫ボランティアについて書いた作品です。 スコア収益は、保護猫たちのゴハンやオヤツの購入に使っています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

懐いてた年下の女の子が三年空けると口が悪くなってた話

六剣
恋愛
社会人の鳳健吾(おおとりけんご)と高校生の鮫島凛香(さめじまりんか)はアパートのお隣同士だった。 兄貴気質であるケンゴはシングルマザーで常に働きに出ているリンカの母親に代わってよく彼女の面倒を見ていた。 リンカが中学生になった頃、ケンゴは海外に転勤してしまい、三年の月日が流れる。 三年ぶりに日本のアパートに戻って来たケンゴに対してリンカは、 「なんだ。帰ってきたんだ」 と、嫌悪な様子で接するのだった。

一行日記 2025年3月

犬束
エッセイ・ノンフィクション
・新人賞用の小説の執筆。 ・『失われた時を求めて』を読む。 ・一日一行でも、美しい事柄について書く、仕合せな気分になるように。

僕は君を思うと吐き気がする

月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

処理中です...