拝啓、空の彼方のあなたへ -1000の手紙-

emi

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最後の手段

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あなたへ

先日、進路のことや将来の話をしてから、
あの子は、少しずつ、変わってきたように思います。

また以前のように、
遊ぶ日と、遊ばない日を自分で決めて、
勉強に取り組み、将来のことを真剣に考えるようになりました。

ただ、時々ね、
プレッシャーからなのか、やる気はあるのに、なかなか思うように進まなかったり、
集中力に欠ける日もあるようです。

今は、あの子にとって、とても苦しい時期。

あの子の手助けが出来るような方法を探しながら、私が辿り着いたのは、
お小遣い制度でした。
テストで良い点がとれたら、ご褒美に、お小遣いをあげるよって。

これは、私の中での最後の手段です。

勉強は、自分のためにするもの。
これまでの私は、ずっと、
そんなふうに、あの子に教えてきました。

この方法が、最善であるのか、どうなのか、
判断し兼ねながらの決断でしたが、
あなたなら、こんな時、どうするのかなって、
そんなふうに考えた時に、
ふと、頭に思い浮かんだのは、
テストで良い点をとって帰ってきたあの子の頭を撫でながら、
お小遣いをあげるあなたの姿でした。

よく頑張ったねって。

あの子が頑張れるのなら、やり方を変えてみてもいいのかなって、
そんな気がして、この制度を取り入れることに決めました。

そうしたらね、あの子ったら、想像以上に、頑張るようになって、
ここ最近は、嬉しそうに、
テストの点数を、発表してくれるようになりました。

もちろん、
お小遣いお願いします なんて、にんまりとしながら。

悩んで出した結論でしたが、大成功だったようですよ。

 
2016.11.18
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