37 / 356
おばあちゃんのこと
しおりを挟む
あなたへ
私のおばあちゃんのことを覚えていますか?
あなたは、二度程、会った事があったでしょうか。
おばあちゃんは、ずっと元気に暮らしていたけれど、
先日、突然に、入院をしたとの連絡が入りました。
入院して、数日だけれど、年も年だから、ボケがね・・・
年齢的にも、治療は難しいみたい
できるだけ早めに会いに行きなさい
そんな連絡でした。
元気なおばあちゃんに会いに行ったのは、ちょうど、1年前。
数年ぶりの再会でした。
80を過ぎても、元気で、
私とあの子を見た、おばあちゃんは、
「よく来たね」って、笑っていました。
元気だった、おばあちゃん。
小さい時に、たった何回しか会った事のなかった、あの子の名前も、
しっかりと覚えていてくれました。
あの時、またね って、別れたんだった。
またね
元気に笑っていた、おばあちゃん。
あの時の、またね が、病院になるとは思いませんでした。
ベッドの上のおばあちゃんは、
何だかとても、疲れているようでした。
だから、ほんの短い時間の面会でした。
おばあちゃんは、
私が小さかった時の話を聞かせてくれました。
それから、
また会えてよかった
ばあちゃんは、もう長くはないと思うんだ
でも、どこも、痛くないから、良かったって思うよ
この年まで、病気にもならず、生きられて、良かった
頑張りすぎちゃいけないよ
なんでも程々に、頑張りすぎない程度に、頑張りなさい
人の目は気にしなくていい 自分のペースで、いいんだよ
長く生きなさい
小さな声で、ポツリ、ポツリと話す、
おばあちゃんの声に耳を傾けながら、
寂しかった。
帰り際に、またね って声を掛けたけれど、
おばあちゃんの返事は、ありがとう でした。
おばあちゃんのお見舞いに行って、
久しぶりに顔を見る事が出来たのに、
苦しかったよ。
寂しかったよ。
こんな時、きっとあなたは、途中で口を挟む事なく、
黙って、私の話を聞いてくれたんだろうな。
その場限りの気休めや、思ってもいない事は、
決して言わなかったあなた。
また会いに行っておいで
あなたなら、こんな言葉をくれたのでしょうか。
2016.09.01
私のおばあちゃんのことを覚えていますか?
あなたは、二度程、会った事があったでしょうか。
おばあちゃんは、ずっと元気に暮らしていたけれど、
先日、突然に、入院をしたとの連絡が入りました。
入院して、数日だけれど、年も年だから、ボケがね・・・
年齢的にも、治療は難しいみたい
できるだけ早めに会いに行きなさい
そんな連絡でした。
元気なおばあちゃんに会いに行ったのは、ちょうど、1年前。
数年ぶりの再会でした。
80を過ぎても、元気で、
私とあの子を見た、おばあちゃんは、
「よく来たね」って、笑っていました。
元気だった、おばあちゃん。
小さい時に、たった何回しか会った事のなかった、あの子の名前も、
しっかりと覚えていてくれました。
あの時、またね って、別れたんだった。
またね
元気に笑っていた、おばあちゃん。
あの時の、またね が、病院になるとは思いませんでした。
ベッドの上のおばあちゃんは、
何だかとても、疲れているようでした。
だから、ほんの短い時間の面会でした。
おばあちゃんは、
私が小さかった時の話を聞かせてくれました。
それから、
また会えてよかった
ばあちゃんは、もう長くはないと思うんだ
でも、どこも、痛くないから、良かったって思うよ
この年まで、病気にもならず、生きられて、良かった
頑張りすぎちゃいけないよ
なんでも程々に、頑張りすぎない程度に、頑張りなさい
人の目は気にしなくていい 自分のペースで、いいんだよ
長く生きなさい
小さな声で、ポツリ、ポツリと話す、
おばあちゃんの声に耳を傾けながら、
寂しかった。
帰り際に、またね って声を掛けたけれど、
おばあちゃんの返事は、ありがとう でした。
おばあちゃんのお見舞いに行って、
久しぶりに顔を見る事が出来たのに、
苦しかったよ。
寂しかったよ。
こんな時、きっとあなたは、途中で口を挟む事なく、
黙って、私の話を聞いてくれたんだろうな。
その場限りの気休めや、思ってもいない事は、
決して言わなかったあなた。
また会いに行っておいで
あなたなら、こんな言葉をくれたのでしょうか。
2016.09.01
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる