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おばあちゃんのこと

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あなたへ

私のおばあちゃんのことを覚えていますか?
あなたは、二度程、会った事があったでしょうか。

おばあちゃんは、ずっと元気に暮らしていたけれど、
先日、突然に、入院をしたとの連絡が入りました。

入院して、数日だけれど、年も年だから、ボケがね・・・
年齢的にも、治療は難しいみたい
できるだけ早めに会いに行きなさい

そんな連絡でした。

元気なおばあちゃんに会いに行ったのは、ちょうど、1年前。
数年ぶりの再会でした。

80を過ぎても、元気で、
私とあの子を見た、おばあちゃんは、
「よく来たね」って、笑っていました。

元気だった、おばあちゃん。
小さい時に、たった何回しか会った事のなかった、あの子の名前も、
しっかりと覚えていてくれました。

あの時、またね って、別れたんだった。

またね

元気に笑っていた、おばあちゃん。
あの時の、またね が、病院になるとは思いませんでした。

ベッドの上のおばあちゃんは、
何だかとても、疲れているようでした。
だから、ほんの短い時間の面会でした。

おばあちゃんは、
私が小さかった時の話を聞かせてくれました。

それから、

また会えてよかった

ばあちゃんは、もう長くはないと思うんだ

でも、どこも、痛くないから、良かったって思うよ

この年まで、病気にもならず、生きられて、良かった

頑張りすぎちゃいけないよ

なんでも程々に、頑張りすぎない程度に、頑張りなさい

人の目は気にしなくていい 自分のペースで、いいんだよ

長く生きなさい

小さな声で、ポツリ、ポツリと話す、
おばあちゃんの声に耳を傾けながら、
寂しかった。

 帰り際に、またね って声を掛けたけれど、
おばあちゃんの返事は、ありがとう でした。

おばあちゃんのお見舞いに行って、
久しぶりに顔を見る事が出来たのに、
苦しかったよ。

寂しかったよ。

こんな時、きっとあなたは、途中で口を挟む事なく、
黙って、私の話を聞いてくれたんだろうな。

その場限りの気休めや、思ってもいない事は、
決して言わなかったあなた。

また会いに行っておいで

あなたなら、こんな言葉をくれたのでしょうか。


 2016.09.01
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