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駒鳥は何処へ行く?
迷路の出口
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此方を見た其の瞬間。其の眼に閃いたのは絶望か。
呻き、顔を隠して俯いてしまった相手に。
呼び掛ける。
「ゼオ」
微動だにしない相手に手を伸ばす。
頑なに外されない顔を隠す腕と、小さく蹲った身体。
「暖かい所に行こう」
自らの顔を隠す外されない腕ごと、其の身体を抱き上げて_跳んだ。
※
慣れた海の上。船の部屋。
何時もの寝台に落とされて、ゼオは弾かれた様に動き、下りようとした。
追う手が伸ばされる。
半狂乱で暴れる相手を力付くで拘束する。
両手を頭上で纏めて、動けぬ様に寝台の柱に括りつける。
一つ解った事がある。己の源であるらしい人間の、心の奥底に隠された_本当に望んでいた事。
足を開かされる。足首を掴む力が強い。宥めるように腱を撫でる親指の指先。
急に襲った激痛に、ゼオは苦鳴を上げた。
急速にピントを合わせた目に映ったのは、無理に開かされた足、足首の側面に見え隠れる、真横に引かれた深紅の線。
腱を断たれたと認識するのに少し掛かった。
次いで、もう一方の足首にも痛みが走る。
暴れる足首から流れ出た血が、敷布を赤に染める。
気にせず船長はゼオの太腿を掴んだ。
「怯えるな_と云っても無理か、ゼオ。治してやるさ、ちゃんと」
腹の上。件の印に船長が口付ける。
不可聴の声音で何事か唱え、一気に煮溶かされるような灼熱がゼオを襲う。
「…此処に根付いた俺の種が、実となって生まれ落ちたら、な」
『自分を置いて走っていく足を奪い、其の胎に自分の子を産ませたい』
人の身では叶える事も出来ぬ業も、此の身ならば余りに簡単に叶えられるだろう。
あの男は人であった。如何仕様も無く人であった。
人では叶えられぬ望みを抱いた_唯の人間の男。
ようやっと機は熟した。
お互いの、望みは叶う。
「楽しみだな?ゼオ」
※
芒洋と褥に転がるゼオを、撫でる腕がある。
胎。膨らみの出てきた其処を撫でる掌が伝えるのは紛れも無い優しさ。
優しく撫でる手は其の儘、もう片方の手はゆっくりと尻の割れ目を辿って穴を開く。
潜り込んできた指に喘ぐゼオの目は虚ろ。涙でひたひたに濡れて、此方を見無い眼であるが、此れならば良かった。
甘く高く素直に鳴く。ぐずぐずに融けた身体に猛った処を潜り込ませる。
吐息。
最近、ゼオの雄は余り硬くならずに垂れて、腹の上で寝ている事が多かった。
其れでも精を吐き出してはいるので、ちゃんと気持ち好いのだろう。
優しく優しく揺すってやって、最近少しだけ大きく成った乳首も指先で丁寧に潰す。
涙を流して悦ぶゼオ。
と、乳首を愛でる指先にぬるみを感じた。
「ああ、乳が出るようになったのか」
白っぽい汁。
乳首の上で、幾つも小さく球になっていた。
もう直ぐで、産み月だった。
ある男の、遠い昔に望んだ幸いが其処にあった。
呻き、顔を隠して俯いてしまった相手に。
呼び掛ける。
「ゼオ」
微動だにしない相手に手を伸ばす。
頑なに外されない顔を隠す腕と、小さく蹲った身体。
「暖かい所に行こう」
自らの顔を隠す外されない腕ごと、其の身体を抱き上げて_跳んだ。
※
慣れた海の上。船の部屋。
何時もの寝台に落とされて、ゼオは弾かれた様に動き、下りようとした。
追う手が伸ばされる。
半狂乱で暴れる相手を力付くで拘束する。
両手を頭上で纏めて、動けぬ様に寝台の柱に括りつける。
一つ解った事がある。己の源であるらしい人間の、心の奥底に隠された_本当に望んでいた事。
足を開かされる。足首を掴む力が強い。宥めるように腱を撫でる親指の指先。
急に襲った激痛に、ゼオは苦鳴を上げた。
急速にピントを合わせた目に映ったのは、無理に開かされた足、足首の側面に見え隠れる、真横に引かれた深紅の線。
腱を断たれたと認識するのに少し掛かった。
次いで、もう一方の足首にも痛みが走る。
暴れる足首から流れ出た血が、敷布を赤に染める。
気にせず船長はゼオの太腿を掴んだ。
「怯えるな_と云っても無理か、ゼオ。治してやるさ、ちゃんと」
腹の上。件の印に船長が口付ける。
不可聴の声音で何事か唱え、一気に煮溶かされるような灼熱がゼオを襲う。
「…此処に根付いた俺の種が、実となって生まれ落ちたら、な」
『自分を置いて走っていく足を奪い、其の胎に自分の子を産ませたい』
人の身では叶える事も出来ぬ業も、此の身ならば余りに簡単に叶えられるだろう。
あの男は人であった。如何仕様も無く人であった。
人では叶えられぬ望みを抱いた_唯の人間の男。
ようやっと機は熟した。
お互いの、望みは叶う。
「楽しみだな?ゼオ」
※
芒洋と褥に転がるゼオを、撫でる腕がある。
胎。膨らみの出てきた其処を撫でる掌が伝えるのは紛れも無い優しさ。
優しく撫でる手は其の儘、もう片方の手はゆっくりと尻の割れ目を辿って穴を開く。
潜り込んできた指に喘ぐゼオの目は虚ろ。涙でひたひたに濡れて、此方を見無い眼であるが、此れならば良かった。
甘く高く素直に鳴く。ぐずぐずに融けた身体に猛った処を潜り込ませる。
吐息。
最近、ゼオの雄は余り硬くならずに垂れて、腹の上で寝ている事が多かった。
其れでも精を吐き出してはいるので、ちゃんと気持ち好いのだろう。
優しく優しく揺すってやって、最近少しだけ大きく成った乳首も指先で丁寧に潰す。
涙を流して悦ぶゼオ。
と、乳首を愛でる指先にぬるみを感じた。
「ああ、乳が出るようになったのか」
白っぽい汁。
乳首の上で、幾つも小さく球になっていた。
もう直ぐで、産み月だった。
ある男の、遠い昔に望んだ幸いが其処にあった。
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