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駒鳥は何処へ行く?
終わりの記憶
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其の日。
天は不穏な色で渦を巻き、夏達の不安を煽った。誰も此処まで荒れた天気など知らなかった。
特に、風。
吹きすさぶ風が木々を薙ぎ倒し、呼応すように天が哭いた。
悲鳴、悲鳴、悲鳴、悲鳴。
大地が、天が、泣き叫んでいる。
走り出した“統べる者”と“強き者”。
駆け込んだのは、地母神が坐処に最も近づく_あの泉、あの高木。
駆け込んだ場は_何時もの場処では無かった。
現れた地母神は、冬の容。今は夏であるのに。
酷く酷く恐ろしい事が起こっている。
否、もう起きて、_終わってしまった。
「地母神よ。どうぞ、何なりと。貴方の意に従います」
扉は閉じた。
山を隠す。
伴をするならば連れて行く。_そうでないなら、巡り巡って何時か散る。
終わり。お終い。_最後の慈悲。
正しく、理解した。
二人の祭祀は里に戻ると、夏達を集めて地母神の言葉を伝えた。
「私は共に、行けないわ」
一人の夏は、そう云って離れた。
其れ以外は_。
私達は、そうやって終わった。
※
世界の中心の山が消え、地母神も身を隠した。
残されたのは、地に開いた大穴だけ。
_俺の里も消えた。
動揺は各地の夏達に広がり、動揺する夏を冬は襲った。
冬達の精神へ落ちた「何故、俺達は留まれぬのか」と云う疑問の種は、極彩の華を咲かせた。
子の父を選ぶは夏の権利。
望んだ夏に子を産んで貰えるかは一つの賭け。
留まり、子に親と呼んで貰いたいと望む冬もあった。
_身を損なわずに其れが出来るなら。
手に入らぬはずの星が落ちてきたのだ。
夏達は魔術に長けて、其れに頼って力を行使した。
魔素の混乱によって何時もの力を揮えぬ夏達は、肉体の力を磨く冬達に勝てなかった。
其れが終わり、其れが始まり。
夏が終わり、冬が始まった。
天は不穏な色で渦を巻き、夏達の不安を煽った。誰も此処まで荒れた天気など知らなかった。
特に、風。
吹きすさぶ風が木々を薙ぎ倒し、呼応すように天が哭いた。
悲鳴、悲鳴、悲鳴、悲鳴。
大地が、天が、泣き叫んでいる。
走り出した“統べる者”と“強き者”。
駆け込んだのは、地母神が坐処に最も近づく_あの泉、あの高木。
駆け込んだ場は_何時もの場処では無かった。
現れた地母神は、冬の容。今は夏であるのに。
酷く酷く恐ろしい事が起こっている。
否、もう起きて、_終わってしまった。
「地母神よ。どうぞ、何なりと。貴方の意に従います」
扉は閉じた。
山を隠す。
伴をするならば連れて行く。_そうでないなら、巡り巡って何時か散る。
終わり。お終い。_最後の慈悲。
正しく、理解した。
二人の祭祀は里に戻ると、夏達を集めて地母神の言葉を伝えた。
「私は共に、行けないわ」
一人の夏は、そう云って離れた。
其れ以外は_。
私達は、そうやって終わった。
※
世界の中心の山が消え、地母神も身を隠した。
残されたのは、地に開いた大穴だけ。
_俺の里も消えた。
動揺は各地の夏達に広がり、動揺する夏を冬は襲った。
冬達の精神へ落ちた「何故、俺達は留まれぬのか」と云う疑問の種は、極彩の華を咲かせた。
子の父を選ぶは夏の権利。
望んだ夏に子を産んで貰えるかは一つの賭け。
留まり、子に親と呼んで貰いたいと望む冬もあった。
_身を損なわずに其れが出来るなら。
手に入らぬはずの星が落ちてきたのだ。
夏達は魔術に長けて、其れに頼って力を行使した。
魔素の混乱によって何時もの力を揮えぬ夏達は、肉体の力を磨く冬達に勝てなかった。
其れが終わり、其れが始まり。
夏が終わり、冬が始まった。
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