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駒鳥は何処へ行く?
密会
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「やあ、久しぶり」
冷とした視線を物ともせずに、男は愉しそうに笑った。
手元に酒の入ったグラスを寄こす。
寄越された酒は深い香り。_些か度数が高すぎる。
「酔った方が気が楽に為るなら、どうぞ」
俺としては正気の貴方に相手して欲しいけど、其処は強制しないよ。
「来なかったら都市1つ、潰して見せたのは誰だ」
「俺だな」
氷の視線に寄越されるのは、能面のような笑顔。
ああ、酷く苛立つ。
指先が机を叩く。
200年に1回の逢瀬は、回数を重ねる度に最悪を更新する。
其れなりのレベルの連れ込み宿。
外衣は戸口近くの椅子に放り、シャツの釦を手早く外してズボンを緩める。
ベッドに座って靴を落とし、ズボンと下着を引き抜く。
俎板の上の何とやら。
「夏の身体も色があったけれど、冬の身体もそそるな貴方は」
「勝手に人で発情するな。やりたい奴らだけでやれ」
「…貴方じゃない。此の世の他の誰も貴方じゃない」
正面から近づき、覗き込んだ顔に真摯に告げる。
返されるのは、氷の視線。
苦笑して、結ばれた唇に口付けた。
融けない心も体も、時間を掛ければ目合える位には緩む。
幾らか汗ばんだ肌と肌が触れて、繋がった処からは快楽が沸く。
「貴方は其れが気に入らないのかも知れないけれど」
「前も」
会陰を撫でて、
「後ろも」
陰茎を含んだ場処を撫でる。
「俺に差し出してるって気付いてる?」
「哀れだな」汗の浮いた顔。静か。
伸べられた手が、頬に沿う。
耳元に寄せられる唇。
身体に何の意味がある?
離れた唇と手。歪む顔。腰を掴んで、手荒く圧し着ける。
詰まる息。次いで
笑い声、わらい声。
激しくなる水音と、狂ったような笑い声が、其の空間を揺らしていた。
※
昼前に出て行ったはずの“銀”は、夜も更けた頃に帰って来た。
帰ってきた“銀”が籠った部屋に、マーサは湯を運ぶ。
部屋に据えられた大きな湯桶。此の部屋は其れが売り。
湯桶の中で湯に身を任せる“銀”は、ぐったりと縁に頭を預けている。
少し考えて、_マーサは手早く衣服を脱いだ。
“銀”の入る湯桶にマーサも入る。
寝ている筈も無い“銀”は、ピクリとも動かない。
湯は透明だから、沈む相手の様子は良く見えた。
身体中に五指と噛み跡が散っている。
「姉さま」
苦笑。
閉じていた瞼がほんの少し開かれて、“銀”は仕方のない妹を見た。
マーサの手が“銀”の窮鼠部を攫い、未だ力のない其処を口に含む。
刺激に“銀”がふっと息を吐いて、其れがとても色っぽい。
そおっと、酷使されただろう場処に指を伸ばす。嫌がられるかと思ったが、“銀”の手はマーサの暴挙を止めなかった。
触れた処は熱を持ち、腫れているようだった。くいっと指先を喰い込ませると、其処で初めて待ったが掛かった。
「マーサ、こら。少し痛い。止めて呉れ」
「でも姉さま。此処ちゃんと処理をした? 入ったままだと、お腹を壊すわ」
後でするよと答えた“銀”は、マーサをお膝に乗せてしまった。
胎を割る肉が、マーサの好い処を擦る。
「気持ち好いね、マーサ」
「…ええ。気持ち好いわ、姉さま」
冷とした視線を物ともせずに、男は愉しそうに笑った。
手元に酒の入ったグラスを寄こす。
寄越された酒は深い香り。_些か度数が高すぎる。
「酔った方が気が楽に為るなら、どうぞ」
俺としては正気の貴方に相手して欲しいけど、其処は強制しないよ。
「来なかったら都市1つ、潰して見せたのは誰だ」
「俺だな」
氷の視線に寄越されるのは、能面のような笑顔。
ああ、酷く苛立つ。
指先が机を叩く。
200年に1回の逢瀬は、回数を重ねる度に最悪を更新する。
其れなりのレベルの連れ込み宿。
外衣は戸口近くの椅子に放り、シャツの釦を手早く外してズボンを緩める。
ベッドに座って靴を落とし、ズボンと下着を引き抜く。
俎板の上の何とやら。
「夏の身体も色があったけれど、冬の身体もそそるな貴方は」
「勝手に人で発情するな。やりたい奴らだけでやれ」
「…貴方じゃない。此の世の他の誰も貴方じゃない」
正面から近づき、覗き込んだ顔に真摯に告げる。
返されるのは、氷の視線。
苦笑して、結ばれた唇に口付けた。
融けない心も体も、時間を掛ければ目合える位には緩む。
幾らか汗ばんだ肌と肌が触れて、繋がった処からは快楽が沸く。
「貴方は其れが気に入らないのかも知れないけれど」
「前も」
会陰を撫でて、
「後ろも」
陰茎を含んだ場処を撫でる。
「俺に差し出してるって気付いてる?」
「哀れだな」汗の浮いた顔。静か。
伸べられた手が、頬に沿う。
耳元に寄せられる唇。
身体に何の意味がある?
離れた唇と手。歪む顔。腰を掴んで、手荒く圧し着ける。
詰まる息。次いで
笑い声、わらい声。
激しくなる水音と、狂ったような笑い声が、其の空間を揺らしていた。
※
昼前に出て行ったはずの“銀”は、夜も更けた頃に帰って来た。
帰ってきた“銀”が籠った部屋に、マーサは湯を運ぶ。
部屋に据えられた大きな湯桶。此の部屋は其れが売り。
湯桶の中で湯に身を任せる“銀”は、ぐったりと縁に頭を預けている。
少し考えて、_マーサは手早く衣服を脱いだ。
“銀”の入る湯桶にマーサも入る。
寝ている筈も無い“銀”は、ピクリとも動かない。
湯は透明だから、沈む相手の様子は良く見えた。
身体中に五指と噛み跡が散っている。
「姉さま」
苦笑。
閉じていた瞼がほんの少し開かれて、“銀”は仕方のない妹を見た。
マーサの手が“銀”の窮鼠部を攫い、未だ力のない其処を口に含む。
刺激に“銀”がふっと息を吐いて、其れがとても色っぽい。
そおっと、酷使されただろう場処に指を伸ばす。嫌がられるかと思ったが、“銀”の手はマーサの暴挙を止めなかった。
触れた処は熱を持ち、腫れているようだった。くいっと指先を喰い込ませると、其処で初めて待ったが掛かった。
「マーサ、こら。少し痛い。止めて呉れ」
「でも姉さま。此処ちゃんと処理をした? 入ったままだと、お腹を壊すわ」
後でするよと答えた“銀”は、マーサをお膝に乗せてしまった。
胎を割る肉が、マーサの好い処を擦る。
「気持ち好いね、マーサ」
「…ええ。気持ち好いわ、姉さま」
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