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第83話 アサは快感に飲まれる
しおりを挟む「ンンッ、ニールッ」
起きては欲しくない最悪の事態が起きてしまった。射精後の気だるさに身を任せぼーっと天井を眺めていたらニールが部屋に戻ってきてしまったのだ。
たとえ今、僕が流ちょうに異国の言葉を話せたとしても、毛布に隠れずにして今の状況をうまく切り抜ける方法なんて知らなかったはずだ。
どうしよう、なんて説明すれば……なんて考えているうちに、僕はニールの腕の中にいて、温かい舌先に翻弄されていた。うう…もうだめ、頭がぼーっとしてきたし、心臓がバクバクいってる。
恥ずかしすぎて流していた涙が快感のものに変わるころ、僕はニールの膝の上に座り、必死で首にまとわりついていた。逃げても逃げても追いかけて離さないニールの舌が、僕を温めてくれる。この時やっと、僕は自分がズボンも下着も身に着けていないことに気づいたんだ。
「マッテ、ダメ…!」
僕を抱きしめる逞しい腕を押し、話してくれと乞う。下半身を晒したままニールと向き合ってるなんて恥ずかしすぎる。うう…お願い、離して。せめて下着だけでも履きたいよぉ…
「アサ、これは?」
むき出しの太ももをサラリと撫で僕の中心に指を這わせたニールは、まっすぐに僕の瞳を見つめてくる。悪いことをしてしまった、そんな気分になってしまうような眼差しだ。
「ウ…ゴ、メン…?」
「何で謝るんだ?」
「ナンデ」、ニールは理由を聞いて来ているのだろうか?
それは、僕があんなことを一人でしてしまった理由??それとも謝った理由?
「ア…ゥ…」
「大丈夫だ…」
なんて言ったらいいか分からない。困っている僕にニールはいつも通りの優しい視線を向けてくれた。僕のおなかを、そして太ももの付け根を行ったり来たりする指がすごく気持ちいい。くすぐったい、の一歩手前で、おなかの奥がムズムズするような気持ちよさだ。
「ンンッ」
もう少し、もう少しこっちを触ってほしいな、なんて、わがままな思いで腰を動かした。
「アサ、何をやってるんだ?」
ふふっと笑い、大事なところに触れてくれないニールは意地悪だ。言葉が通じなくたって分かる。彼は今、わざと僕が触ってほしい所に触ってくれないんだって。
「ナン、デ!」
「触ってほしいのか?」
「ハゥッ…」
腰の奥に突然電気が走ったような、ビリビリとした感覚に僕はのまれた。柔らかく僕のモノを包んだニールの手は、上へ下へとゆっくりと動き出す。んん、さっき出したばかりだから、この刺激は強すぎる。背中をびくびくと震わせ、僕はニールの肩に頬をのせた。
「気持ちいいか、アサ?」
「ンッ、ァンッ、キ、モチ、イ…!」
ニールが仕事中だとか、こんなことをしている場合じゃないとか、快感に飲まれだした僕はすっかり忘れてしまった。
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