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第82話 ニールの忘れ物
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「アサ…?」
「っ!!!」
思い切って扉を開くとベッドに横たわるアサがびくりと飛び上がった。
真っ赤な頬にとろんとした瞳、濡れた唇から吐き出される息は少し乱れている。この時、アサの下半身がどうなっていたかなんて、動転していた俺は確認する余裕さえなかった。
「イヤッ!」
そう言うとアサは掛け布団を頭からかぶり隠れた。そんなことをしたって、俺が布団を剥げば簡単に見つかってしまうというのに…ああ、こんな行動まで可愛くて悶えてしまうなんて、末期だろうか。
「アサ、大丈夫だから」
ベッドに腰を掛け、小さな毛布の山を撫でるとアサの体がぴくりと動いた。気まずいのだろう、俺も男だ、気持ちは十分にわかる。顔を近づけると毛布の中からはすすり泣く声が聞こえてきた。
泣かすつもりなどこれっぽっちもなかったのに…
どう慰めて良いのかも分からず、アサの肩があろう場所を撫でると俺はゆっくりと毛布に手を差し込んだ。ん?布ではなくて肌……なるほど、下着を履く余裕もなかったのか。
「アサ、ごめん。俺が悪かった。出てきてくれないか?すぐに仕事に戻らなくちゃいけないんだ、お前の顔が見たい」
理解してくれないかも、と思いながらもなるべくゆっくりと言葉を紡いだ。
「ン……」
隙間からさらさらと黒髪が顔をのぞかせた。下に隠れる黒い瞳は涙で濡れ、いつもは透き通るほど白い肌は赤みを帯びていて、何とも俺の欲情を煽る。しかし、すぐに、仕事に戻らねばあとで痛い目を見るのは俺だ。
「ありがとう、泣かせてしまったな。日誌を取りに来ただけなんだ。邪魔をしてすまなかった」
目の前のアサが左右に何度か首を振る。俺が言わんとしていることが分かったのか、それとも出てけと首を振っているのだろうか…
言葉が通じないからこそ、今この状態が気まずい、と俺は頭を掻いた。
「ニール、ダイジョブ…」
ベッドに置かれた俺の手に触れたアサはニコリと笑った。瞼にたまった涙が色白の肌を伝い頬を濡らす。
なんてきれいなんだろう。こんなにも涙が似合うのはアサだけだ。
「少しだけなら…」という悪魔のささやきに乗せられ、気づくと俺は毛布を捲りアサの唇を楽しんでいた。半分毛布にくるまった体に触れるといつもより体温が高い。服の隙間から手を入れ、触り心地のよい背中の肌を撫でると、腕の中の少年が可愛く啼いた。
「ンッ、ニー、ル」
未だに視線を合わせてくれないアサは瞳に涙をためて俺の首に腕をまわした。必死に唇を合わせてくる姿を薄目を開けて楽しむと、俺は美味しそうな唇をたどり隙間から舌を入れた。
逃げ回る舌を探り出し擦り合わせ始めたころ、この行為に夢中になり出した俺は毛布を完璧にはがし、アサを自分の膝の上にのせていた。羽根のような体重からじわじわと心地よい体温が伝わり出す。
時の経過を忘れ俺はこの時を楽しみすぎていた。
「っ!!!」
思い切って扉を開くとベッドに横たわるアサがびくりと飛び上がった。
真っ赤な頬にとろんとした瞳、濡れた唇から吐き出される息は少し乱れている。この時、アサの下半身がどうなっていたかなんて、動転していた俺は確認する余裕さえなかった。
「イヤッ!」
そう言うとアサは掛け布団を頭からかぶり隠れた。そんなことをしたって、俺が布団を剥げば簡単に見つかってしまうというのに…ああ、こんな行動まで可愛くて悶えてしまうなんて、末期だろうか。
「アサ、大丈夫だから」
ベッドに腰を掛け、小さな毛布の山を撫でるとアサの体がぴくりと動いた。気まずいのだろう、俺も男だ、気持ちは十分にわかる。顔を近づけると毛布の中からはすすり泣く声が聞こえてきた。
泣かすつもりなどこれっぽっちもなかったのに…
どう慰めて良いのかも分からず、アサの肩があろう場所を撫でると俺はゆっくりと毛布に手を差し込んだ。ん?布ではなくて肌……なるほど、下着を履く余裕もなかったのか。
「アサ、ごめん。俺が悪かった。出てきてくれないか?すぐに仕事に戻らなくちゃいけないんだ、お前の顔が見たい」
理解してくれないかも、と思いながらもなるべくゆっくりと言葉を紡いだ。
「ン……」
隙間からさらさらと黒髪が顔をのぞかせた。下に隠れる黒い瞳は涙で濡れ、いつもは透き通るほど白い肌は赤みを帯びていて、何とも俺の欲情を煽る。しかし、すぐに、仕事に戻らねばあとで痛い目を見るのは俺だ。
「ありがとう、泣かせてしまったな。日誌を取りに来ただけなんだ。邪魔をしてすまなかった」
目の前のアサが左右に何度か首を振る。俺が言わんとしていることが分かったのか、それとも出てけと首を振っているのだろうか…
言葉が通じないからこそ、今この状態が気まずい、と俺は頭を掻いた。
「ニール、ダイジョブ…」
ベッドに置かれた俺の手に触れたアサはニコリと笑った。瞼にたまった涙が色白の肌を伝い頬を濡らす。
なんてきれいなんだろう。こんなにも涙が似合うのはアサだけだ。
「少しだけなら…」という悪魔のささやきに乗せられ、気づくと俺は毛布を捲りアサの唇を楽しんでいた。半分毛布にくるまった体に触れるといつもより体温が高い。服の隙間から手を入れ、触り心地のよい背中の肌を撫でると、腕の中の少年が可愛く啼いた。
「ンッ、ニー、ル」
未だに視線を合わせてくれないアサは瞳に涙をためて俺の首に腕をまわした。必死に唇を合わせてくる姿を薄目を開けて楽しむと、俺は美味しそうな唇をたどり隙間から舌を入れた。
逃げ回る舌を探り出し擦り合わせ始めたころ、この行為に夢中になり出した俺は毛布を完璧にはがし、アサを自分の膝の上にのせていた。羽根のような体重からじわじわと心地よい体温が伝わり出す。
時の経過を忘れ俺はこの時を楽しみすぎていた。
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