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第41話 二人の秘密
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「それで、お前は朝食を持って遊びに来たと」
「そーなの!可愛いアサがお腹空いちゃ大変だから」
「心配無用だ、アサを海辺近くの飯屋に連れて行く予定だった」
「ニール、あそこのお店はお昼からしか開かないらしいですよ」
「お前もいたのか、ショーン」
「アサああああ!お・きっ・て!」
「ケン、アサは疲れているようですから、静かに」
身支度が終わり、アサと窓際のソファーに座りゆっくりと窓から漏れる陽射しを楽しんでいた。船では楽しめないような、ゆったりとした気持ちの良いひと時をぶち壊してきたのは、大きな皿を抱えたケンと、後ろから焦った表情で追ってきたショーンだった。
頭を俺の肩に預けうつらうつらしていたアサからしたら、この朝食サービスは迷惑以外なんでもないだろう。
「ケン、ショーン、オ、ハヨ、ゴザイ、マス」
「んーアサーーーーおはよーーーーーー」
「何でお前は朝からテンションが高いんだ」
「寝ていたときは静かだったのですが」
「はっ?一緒に寝たのか?」
「同じ質問を返させていただきます」
「っ!そ、それは…」
眠そうな眼をこするアサは、横に座る俺の顔を見上げると頬を紅め、目線を自分の膝へと移した。俺の背後に置かれた小さな手をぎゅっと握ると、あっと小さな声があがる。
「アサ、顔真っ赤!どうしたの大丈夫?ニール、何やったの!?」
「はぁ?何でそうなる。俺たちの秘密だよな、アサ」
「ン?…ミ、ツ?」
「惜しいですね、アサ。ひみつですよ」
「何で秘密なの?え、僕も秘密知りたい!教えて教えて!」
「お前に教えたら秘密にならねえな」
「ン?ン?」
キョロキョロと視線を俺たちに視線を移すアサは、どこの誰よりも愛らしい。
秘密の意味を説明するには、秘密以上の言葉を教えなくてはいけない。今の俺には、その言葉の意味を教える術が思い当たらない。
「アサ、『秘密』はな…」
「そーなの!可愛いアサがお腹空いちゃ大変だから」
「心配無用だ、アサを海辺近くの飯屋に連れて行く予定だった」
「ニール、あそこのお店はお昼からしか開かないらしいですよ」
「お前もいたのか、ショーン」
「アサああああ!お・きっ・て!」
「ケン、アサは疲れているようですから、静かに」
身支度が終わり、アサと窓際のソファーに座りゆっくりと窓から漏れる陽射しを楽しんでいた。船では楽しめないような、ゆったりとした気持ちの良いひと時をぶち壊してきたのは、大きな皿を抱えたケンと、後ろから焦った表情で追ってきたショーンだった。
頭を俺の肩に預けうつらうつらしていたアサからしたら、この朝食サービスは迷惑以外なんでもないだろう。
「ケン、ショーン、オ、ハヨ、ゴザイ、マス」
「んーアサーーーーおはよーーーーーー」
「何でお前は朝からテンションが高いんだ」
「寝ていたときは静かだったのですが」
「はっ?一緒に寝たのか?」
「同じ質問を返させていただきます」
「っ!そ、それは…」
眠そうな眼をこするアサは、横に座る俺の顔を見上げると頬を紅め、目線を自分の膝へと移した。俺の背後に置かれた小さな手をぎゅっと握ると、あっと小さな声があがる。
「アサ、顔真っ赤!どうしたの大丈夫?ニール、何やったの!?」
「はぁ?何でそうなる。俺たちの秘密だよな、アサ」
「ン?…ミ、ツ?」
「惜しいですね、アサ。ひみつですよ」
「何で秘密なの?え、僕も秘密知りたい!教えて教えて!」
「お前に教えたら秘密にならねえな」
「ン?ン?」
キョロキョロと視線を俺たちに視線を移すアサは、どこの誰よりも愛らしい。
秘密の意味を説明するには、秘密以上の言葉を教えなくてはいけない。今の俺には、その言葉の意味を教える術が思い当たらない。
「アサ、『秘密』はな…」
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