20 / 125
第20話 昼寝の時間
しおりを挟む
数分間口づけを交わしていると安心感からか、疲れたからかアサは眠ってしまった。ブランケットを小さな体にかけ、頭を撫でると規則正しい寝息が聞こえてくる。サラサラ流れる髪、傷ひとつない肌、小さな肩、全てが無事で良かったと安堵感で心が満ちる。
「ニール、ちょっとよろしいですか」
「なんだ」
静かに扉を叩き現れたのは、ゴミの始末を頼んだショーンだった。
「ああ、アサは寝てしまったんですね。話があるので、少しここを出られますか?」
「なるべくアサといてやりたいんだ」
「分かっていますが、ここで話す内容でもないかと。理解できないかもしれませんが…」
「ゴミの話か?分かった。ケンをここに呼ぼう」
「ケンならもう扉の外で待っていますので」
「用意周到だな」
「ケン、入ってきていいですよ」
「アサああああああ!!!んぐぅ」
「うるさい!」
「静かに」
「わぁ、ごめん寝てると思わなかったの」
大きく開いた口を手で塞ぐと、小さな声で謝り速足でベッドへと向かっていく。
「僕も一緒に寝てればいいんだよね!」
「そんなことは頼んでねえな」
「え?!ダメなの?」
「お前は椅子にでも座っとけ。それは俺のベッドだ」
「えーーーー」
「本でも読まれていたらどうですか、ケン?」
ぷーと頬を膨らませながら椅子に座るケンの頭をショーンが撫でる。
「分かった。そうする。いいもん。あとでベッドに寝ちゃうもん」
「なんだって?」
「え?何でもないよ、早くいきなよ、じゃーねー!」
「だそうですよ、ニール。行きますか」
一番騒がしい奴にアサを託していいのか心配になりながら俺はショーンに続き部屋を出た。
.
.
.
「しっれーしまーすっ!」
「ン…?ケ、ケン?」
「うん!僕だよ!一緒にお昼寝だよ!」
「ン…?ニール?」
「ニールじゃないよ、ケンだよー!」
「ン、ウ…ン…」
「ねえねえ…」
ベッドに滑り込んだケンが黙っているはずもなく、昼寝に至ることはなかったらしい。
「ニール、ちょっとよろしいですか」
「なんだ」
静かに扉を叩き現れたのは、ゴミの始末を頼んだショーンだった。
「ああ、アサは寝てしまったんですね。話があるので、少しここを出られますか?」
「なるべくアサといてやりたいんだ」
「分かっていますが、ここで話す内容でもないかと。理解できないかもしれませんが…」
「ゴミの話か?分かった。ケンをここに呼ぼう」
「ケンならもう扉の外で待っていますので」
「用意周到だな」
「ケン、入ってきていいですよ」
「アサああああああ!!!んぐぅ」
「うるさい!」
「静かに」
「わぁ、ごめん寝てると思わなかったの」
大きく開いた口を手で塞ぐと、小さな声で謝り速足でベッドへと向かっていく。
「僕も一緒に寝てればいいんだよね!」
「そんなことは頼んでねえな」
「え?!ダメなの?」
「お前は椅子にでも座っとけ。それは俺のベッドだ」
「えーーーー」
「本でも読まれていたらどうですか、ケン?」
ぷーと頬を膨らませながら椅子に座るケンの頭をショーンが撫でる。
「分かった。そうする。いいもん。あとでベッドに寝ちゃうもん」
「なんだって?」
「え?何でもないよ、早くいきなよ、じゃーねー!」
「だそうですよ、ニール。行きますか」
一番騒がしい奴にアサを託していいのか心配になりながら俺はショーンに続き部屋を出た。
.
.
.
「しっれーしまーすっ!」
「ン…?ケ、ケン?」
「うん!僕だよ!一緒にお昼寝だよ!」
「ン…?ニール?」
「ニールじゃないよ、ケンだよー!」
「ン、ウ…ン…」
「ねえねえ…」
ベッドに滑り込んだケンが黙っているはずもなく、昼寝に至ることはなかったらしい。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。
近況ボードをご覧下さい。


塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

つまりは相思相愛
nano ひにゃ
BL
ご主人様にイかないように命令された僕はおもちゃの刺激にただ耐えるばかり。
限界まで耐えさせられた後、抱かれるのだが、それもまたしつこく、僕はもう僕でいられない。
とことん甘やかしたいご主人様は目的達成のために僕を追い詰めるだけの短い話です。
最初からR表現です、ご注意ください。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる