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第16話 希望の光
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「ニール!!!!」
ザックの部屋へと急ぐ俺らの耳にアサの叫び声が聞こえた。
「おい!あいつの部屋はどこだ?」
「確かこちらでしたね」
ショーンの指さす扉の前に立つとくぐもった声が聞こえる。
「アサ!」
乱暴に扉をたたくが何の反応もない。
「おい、あと2秒で開けろ。さもないとぶち破るぞ」
「なんて物騒なことを…」
感情の上下が少なく、こんなときでも冷静さを保っているショーンは首を左右に振っている。
「ニール、アサを助けないと、どうしようどうしよう」
パニックになり涙を流しているケンの頭をショーンは撫でた。
「どうしてやりましょうかね」
綺麗すぎる笑顔を俺に向けると、ショーンは鍵を差し出した。
「全船員室の合鍵です。ザックのはこちらですね」
「それを早く言えよ!」
ざっと鍵を奪い取り目の前の扉を開くと信じられない光景が広がっていた。
「アサ!」
小さなアサの体に、この船でも体格では一二を争うザックが跨っていたのだ。
「くそっ!」
前の開いたアサのシャツを見た瞬間、俺は血の気が引いていくのを感じた。
俺たちの存在に気づいても今なおアサの上に跨るザックはニヤニヤと笑っている。
「ああ、ニールか。早かったな。おすそ分けを頂こうかと思ったが時間が足りなかったか。まあ、いい、次回にしよう」
「次回なんてねえよ」
腸が煮えくり返るほど怒りを感じる男の後頭部を目掛け、俺は力を込めて蹴りを入れた。
「うぐっ」
俺の蹴りがうまく入ったのか、マヌケな音を吐きザックの身体がアサの上に倒れた。
「アサ、大丈夫か!」
いきなり毛深い巨漢が上に倒れてきた衝撃で涙にぬれる瞳を見開いたアサの顔は恐怖と混乱で青白さを増していく。
意識を失った成人男性、ましてや標準以上にでかいザックの身体を動かすのは簡単ではない。触りたくもないほど忌々しいこの人間の体に近づき両手で力をかけて押してみるが、アサの体に横たわる巨体はびくとも動かなかった。
「ニール、もっと筋トレに励まれた方が良さそうですね」
「ショーン、そんなことよりニールを助けてあげてよ!」
わぁわぁと騒ぐケンの頭を一撫ですると、ショーンがザックの首根っこを掴みずるずるとベットから床に引き下げた。
「お前の腕力は怪物ものだな」
「トレーニングの賜物ですよ」
未だにベッドに座っているアサは恐怖で身体に力が入らないのか呆然としている。
「アサ、いい子だ」
細い腕を引き、優しく包み込むと咳き込みながら泣き出した小さな肩が上下に震えだした。
「アサ、無事でよかった。もう大丈夫だよ!僕たちが来たからね!」
空元気にアサの肩を擦るケンの頬も涙で濡れていた。
「怖かったな。もう大丈夫だ」
「ニー、ル。ニ…ル。ニール!」
「いい子だ、アサ。もう大丈夫」
わんわんと泣き出したアサは俺の名前を何度も呼び、俺の胸で長いこと泣き続けた。
ザックの部屋へと急ぐ俺らの耳にアサの叫び声が聞こえた。
「おい!あいつの部屋はどこだ?」
「確かこちらでしたね」
ショーンの指さす扉の前に立つとくぐもった声が聞こえる。
「アサ!」
乱暴に扉をたたくが何の反応もない。
「おい、あと2秒で開けろ。さもないとぶち破るぞ」
「なんて物騒なことを…」
感情の上下が少なく、こんなときでも冷静さを保っているショーンは首を左右に振っている。
「ニール、アサを助けないと、どうしようどうしよう」
パニックになり涙を流しているケンの頭をショーンは撫でた。
「どうしてやりましょうかね」
綺麗すぎる笑顔を俺に向けると、ショーンは鍵を差し出した。
「全船員室の合鍵です。ザックのはこちらですね」
「それを早く言えよ!」
ざっと鍵を奪い取り目の前の扉を開くと信じられない光景が広がっていた。
「アサ!」
小さなアサの体に、この船でも体格では一二を争うザックが跨っていたのだ。
「くそっ!」
前の開いたアサのシャツを見た瞬間、俺は血の気が引いていくのを感じた。
俺たちの存在に気づいても今なおアサの上に跨るザックはニヤニヤと笑っている。
「ああ、ニールか。早かったな。おすそ分けを頂こうかと思ったが時間が足りなかったか。まあ、いい、次回にしよう」
「次回なんてねえよ」
腸が煮えくり返るほど怒りを感じる男の後頭部を目掛け、俺は力を込めて蹴りを入れた。
「うぐっ」
俺の蹴りがうまく入ったのか、マヌケな音を吐きザックの身体がアサの上に倒れた。
「アサ、大丈夫か!」
いきなり毛深い巨漢が上に倒れてきた衝撃で涙にぬれる瞳を見開いたアサの顔は恐怖と混乱で青白さを増していく。
意識を失った成人男性、ましてや標準以上にでかいザックの身体を動かすのは簡単ではない。触りたくもないほど忌々しいこの人間の体に近づき両手で力をかけて押してみるが、アサの体に横たわる巨体はびくとも動かなかった。
「ニール、もっと筋トレに励まれた方が良さそうですね」
「ショーン、そんなことよりニールを助けてあげてよ!」
わぁわぁと騒ぐケンの頭を一撫ですると、ショーンがザックの首根っこを掴みずるずるとベットから床に引き下げた。
「お前の腕力は怪物ものだな」
「トレーニングの賜物ですよ」
未だにベッドに座っているアサは恐怖で身体に力が入らないのか呆然としている。
「アサ、いい子だ」
細い腕を引き、優しく包み込むと咳き込みながら泣き出した小さな肩が上下に震えだした。
「アサ、無事でよかった。もう大丈夫だよ!僕たちが来たからね!」
空元気にアサの肩を擦るケンの頬も涙で濡れていた。
「怖かったな。もう大丈夫だ」
「ニー、ル。ニ…ル。ニール!」
「いい子だ、アサ。もう大丈夫」
わんわんと泣き出したアサは俺の名前を何度も呼び、俺の胸で長いこと泣き続けた。
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