皆で異世界転移したら、私だけがハブかれてイケメンに囲まれた

愛丸 リナ

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EPISODE 15「サンドウィッチとオムライス」

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 数十分後

「皆さん、出来ましたよ」

「「「うおおおおおおお!!」」」

 何とか全員分のサンドウィッチとオムライスを作り上げると、団員達の雄叫びが寮中に響いた。
 男ってこんなにデカい声出せるのか……。
 団員達はサンドウィッチとオムライスにがっついてどんどん無くなっていく。
 アベルさんとシリウスさんは、ちゃっかり自分の分のサンドウィッチを手に入れてるし、エースさんなんて他の団員達を押しのけて食べようとしている。
 ……ここは野獣の巣窟かな?

「あの、そんなに急いで食べなくても大丈夫ですよ。まだ作れますし……」

 そう言うと皆ピタッと止まって、マジで?という顔で私の方を見た。
 マジでと言うように頷くと、みな落ち着いてくれて急いで食べる事はなくなった。
 
「(今のうちにおかわり分作っとくか……。それから暫くはガスコンロは団員達の前じゃ封印かな?)」

 おかわり分を沢山作って、ガスコンロはしまっておく。
 男で騎士をやってるからか、作っておいたおかわり分はすぐに無くなった。

「なぁ、アメ~!オムライス、もう無いの~?」

「はい、もう無いですね」

「そんな~!」

「そんな~じゃないですよ。無いもんはないです」

「マジか……」

 分かりやすく肩を落とすエースさん。
 もう食べ終わったのか、彼が持っていた皿は空だった。
 また作ってあげたいけど、この世界の食材で何か作ってあげたいな。

「アメってさ、良い嫁さんになりそうだな!」

「は?」

「そーそー、飯も上手いし掃除は出来てるし部屋は片付いてるし!」

「いや、アメは男だから良い嫁さんじゃなく、良い旦那さんになるって!」

「確かにな!あっはっは!」

 何言ってんだ、このおっさん達は……?
 言ってないけど、私は女だぞ。
 言いもしないけど……。

「候補があるとすりゃあ、副団長かエースかアルかシリウスさん辺りだな!」

「「「「あ"?」」」」

「は?」

 いや、マジで何言ってんだ?このおっさん達……。
 エースさんとアルさんはまだ分かるとして、アベルさんとシリウスさんは私に対して恋愛感情はないと思うぞ?

「……言っときますけど、アメは俺のもんにしますんで」

「は?」

「何言ってんだ、エース。アメは俺のもんだ」

「アンタこそ、何言ってんですか?アレッサンドロさん?アメは俺のだ」

「いいや、俺のだ」

「アンタら、静まってください。そんで一旦、黙りやがれください」

 エースさんとアルさんが口喧嘩を始めて、周りの団員達はそれを見て笑っている。
 冗談なら、マジでやめてほしい。
 私と付き合って、何のメリットがあるんだ?

「アメ」

「? 何ですか?アベルさん」

「……アメは俺のだよな?」

「アンタも何言ってんですか?」

 真顔のアベルさんに言われて、思わず私も真顔で言い返してしまっていた。
 さっきから何言っているんだ、この人達は?

「シリウスさん、この世界って同性恋愛とか出来るんですね……」

「? 何を当たり前な事を言っている?同性恋愛は、異性恋愛と同じくらいの普及率だ。このくらい知ってて普通だろ?」

「世間知らずなもので。知らないんですよ、そういうの……」

「……お前、まさか良いとこの箱入り坊ちゃんか?」

「いいえ?世間知らずではありますが、良いとこの坊ちゃんではありませんよ」

「……そうか」

 皆が食べ終わって、私はチャチャッと片付けていく。
 もう夜遅いからか、皆自室に戻っていった。

「で?シリウスさんは、何でまだここに居るんですか?」

「……お前に聞きたい事がある」

「何でしょう?僕に答えられる質問ものでしたら、答えますよ」

「お前はこの世界の住人か?それとも、異界の住人か?」

「……何故、そんな質問を?」

「インテグリン王国にあるイシアム教会が何やら“勇者召喚”というのを、密かにやっているらしい。それは知ってるか?」

 知っている。
 今日、自由組合ギルドで受付嬢のクリスティーネさんから話を聞いた。
 その時に聞いた、“魔王復活”の話。
 魔王が復活する前兆として、魔物の活性化が見られる。
 だが、それを言っているのはインテグリン王国だけだともクリスティーネさんは言っていた。
 私は知っているというように頷いた。

「その噂話とお前がさっき使っていた“ガスコンロ”ってぇのを見て、何となく“勇者召喚”の儀式に関係あるんじゃねぇかと思ってな」

 うん、ある。
 思っきし関係ある。
 何なら知り合い(?)がインテグリン王国に滞在してる筈だ。

「で?俺の質問に答えてくれるのか?」

「……そうですね。私は別の世界から来た異界の住人ですよ」

「ほう?やはりか」

「でも」

「!?」

「僕は二度と、彼らとは関わりたくないです」

「っ!」

 今の私はどんな顔をしているのだろう?
 怖い顔してないかな?
 怖がらせたらどうしよう?

「……そうか。それを願うんだったら、何も言わん。暫く様子見するぐらいはしといてやる」

 シリウスさんは器用に立ち上がって、階段を降りてった。
 部屋に残るは私一人だけ。

「……ハハッ、ちょっとはということかな?」

 空に浮かぶ二つの大小の月と沢山の星が、私を睨んでいるような気がした。
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