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さびれた商店街に出資してみた
7話
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部屋から出るときにデイバックに財布や携帯、家の鍵など貴重品をつめる。
そして旅館の部屋のカギを持ったのを確認して部屋を出て集合場所にむかった。
「…皆さんお揃いですね。それでは出発いたします」
木田さんの合図でぞろぞろと全員が外に出てバスに乗り込む。
バスが発車すると見慣れすぎた地元の風景が目に飛び込んでくる。
「あと数分で目的地に到着したしますが、みなさん準備はよろしいでしょうか?」
「いえ~い」
五番の男の声がバスの中に響き、他の乗客はつられて笑う。
「ご準備がよろしいようで、バスが止まりましたら降りてすぐに入り口がございます。中に入っていただくと貴重品を入れるロッカーがありますので荷物をお入れください。荷物を入れ終わりましたら、その先の大宴会場と書かれた場所がございますのでそちらにお入りください」
木田さんが話しているうちに公民館の駐車場にバスが入っていく。
「それでは到着です。お忘れ物にご注意ください」
バスから降りて見上げる公民館も見慣れた外観だ。
「へぇロッカーなんてあったんだ」
新しいのだろうか、それほど錆びついていないロッカーが並んでいる。
荷物をいれて鍵のついたリストバンドのようなものを腕にはめる。
「大宴会場は…こっちっすね」
五番の男性の後ろについて歩く。
宴会場の中に入ると座席に番号が振られている。
「皆さん、ご自分の番号の席にお座りください」
コの字型に繋げられた宴席の入り口から一番遠い奥端に二番と書かれた席があった。
「ここか」
「お、お隣二番さんなんですね」
「三番さん、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
机の上には箸、空のグラス、タブレット端末一台、二番と書かれた札が置かれている。
「お席につかれましたか?」
木田さんもちゃっかり、俺の真向かいに座って、全員が席に着いたことを確認している。
「それではお願いします」
木田さんの一言で木田さんの後ろの襖が開いた。
そこから白いスーツにヴェネチアンマスクをつけた男性が現れた。
「あれ、ゲームショーの…」
「みなさま、本日は裏クラウドファンディング主催のミステリーツアーへようこそいらっしゃいました。この時間はちょっとした出し物とお食事をご用意させていただいております。楽しい出し物で癒され、お食事で満たされ、旅館にお土産をお持ち帰りいただければと思います」
話始めた男性の声があの時の先生のものとは違っていた。
多分、別人であろう。
しかしこの白いスーツは裏クラウドファンディングで司会をする際の正装なのだろうか。
「それではまず皆様のお手元にございますタブレット端末のご説明から始めさせていただきます。こちらはこれから出てくる出し物への出資の際やお食事のご選択、お土産の購入にご利用いただけます」
タブレットの電源を入れるとすでにアプリが搭載されていた。
タブには出し物、食事、土産の三種類がある。
「私がご案内した時にのみタブからご選択可能となっております。それ以外のお時間に何か御用がございましたら画面右上の呼び出しボタンを押していただくと係りの者が参りますのでそちらをご利用ください。では早速、出し物の方に移りたいと思います」
そして旅館の部屋のカギを持ったのを確認して部屋を出て集合場所にむかった。
「…皆さんお揃いですね。それでは出発いたします」
木田さんの合図でぞろぞろと全員が外に出てバスに乗り込む。
バスが発車すると見慣れすぎた地元の風景が目に飛び込んでくる。
「あと数分で目的地に到着したしますが、みなさん準備はよろしいでしょうか?」
「いえ~い」
五番の男の声がバスの中に響き、他の乗客はつられて笑う。
「ご準備がよろしいようで、バスが止まりましたら降りてすぐに入り口がございます。中に入っていただくと貴重品を入れるロッカーがありますので荷物をお入れください。荷物を入れ終わりましたら、その先の大宴会場と書かれた場所がございますのでそちらにお入りください」
木田さんが話しているうちに公民館の駐車場にバスが入っていく。
「それでは到着です。お忘れ物にご注意ください」
バスから降りて見上げる公民館も見慣れた外観だ。
「へぇロッカーなんてあったんだ」
新しいのだろうか、それほど錆びついていないロッカーが並んでいる。
荷物をいれて鍵のついたリストバンドのようなものを腕にはめる。
「大宴会場は…こっちっすね」
五番の男性の後ろについて歩く。
宴会場の中に入ると座席に番号が振られている。
「皆さん、ご自分の番号の席にお座りください」
コの字型に繋げられた宴席の入り口から一番遠い奥端に二番と書かれた席があった。
「ここか」
「お、お隣二番さんなんですね」
「三番さん、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
机の上には箸、空のグラス、タブレット端末一台、二番と書かれた札が置かれている。
「お席につかれましたか?」
木田さんもちゃっかり、俺の真向かいに座って、全員が席に着いたことを確認している。
「それではお願いします」
木田さんの一言で木田さんの後ろの襖が開いた。
そこから白いスーツにヴェネチアンマスクをつけた男性が現れた。
「あれ、ゲームショーの…」
「みなさま、本日は裏クラウドファンディング主催のミステリーツアーへようこそいらっしゃいました。この時間はちょっとした出し物とお食事をご用意させていただいております。楽しい出し物で癒され、お食事で満たされ、旅館にお土産をお持ち帰りいただければと思います」
話始めた男性の声があの時の先生のものとは違っていた。
多分、別人であろう。
しかしこの白いスーツは裏クラウドファンディングで司会をする際の正装なのだろうか。
「それではまず皆様のお手元にございますタブレット端末のご説明から始めさせていただきます。こちらはこれから出てくる出し物への出資の際やお食事のご選択、お土産の購入にご利用いただけます」
タブレットの電源を入れるとすでにアプリが搭載されていた。
タブには出し物、食事、土産の三種類がある。
「私がご案内した時にのみタブからご選択可能となっております。それ以外のお時間に何か御用がございましたら画面右上の呼び出しボタンを押していただくと係りの者が参りますのでそちらをご利用ください。では早速、出し物の方に移りたいと思います」
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