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番外編 上京してきた大学生の末路
4話
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物事にはすべて裏と表がある。
これはコウジの知らない裏の話である。
…
彼がコウジに目をつけたのは入学式の時だった。
「いや、だからいいって来なくて」
携帯の先にいる田舎の両親に向かって怒鳴るコウジを見かけたのだ。
今思うと一目ぼれだったのだろう。
彼はコウジを自分のものにするべく、その時から綿密に計画を立て始めた。
「へぇ、コウジくんって一人暮らしなんだ」
授業でい一緒になる度に少しづつ情報を仕入れて距離を縮めていった。
「いいよな、実家暮らしで…」
少しづつコンプレックスを刺激して彼の存在をコウジの中に根付かせていく。
そして周りから友達を排除していき、コウジには自分しかいないと思わせるようん状況に追い込んでいく。
「じゃあ、今度一緒に飲みに行こうよ」
信頼を得たところで秘密を共有する。
そのためにあの店にコウジを連れて行った。
本来、あの店は実業家たちの暇つぶし、娯楽のためにある。
「今野さん、明日連れていきたい子がいるんだけど…」
…
根回しは完ぺきだった。
今野の店の実権は裏クラウドファンディングが握っており、その最大のバックサポーターは彼の実家だった。
彼自身も高校生のころからかなりの額を出資しており、運営にも顔が利く。
そのため計画を遂行するのに必要なもう一齣も簡単に用意できた。
「あれ、珍しいですね、お連れの方がいらっしゃるの」
ノリの軽い彼こそ、実は裏クラウドファンディングのサイトの運営者でありトップである。
連れてこられた男はそれを知らないようで、ノリの軽い男を見下し、そして年若い彼のことも見下しているようだった。
しかしあっという間に彼の策に溺れていった。
「どうだいこいつは。お眼鏡にかないそうかな?」
「ええ、十分です」
ノリの軽い男はどこぞのパーティーで金に困ってそうで男色家でバカそうな男という彼の出した条件にあう男を拾ってきてくれたのだった。
「うまくいくことを願ってるよ」
「はい、このお礼は必ず」
…
平田とコウジが関係を持つまでそんなに時間はかからなかった。
それから平田が金に困るように彼は手ぐすねを引いた。
「ここの会社の社長を賭場にでも誘っといて」
次第にギャンブルにハマった平田が会社の金に手を付け、その返済に追われ始めた。
そして金に困った平田に裏クラウドファンディングのサイトを紹介してあげた。
「馬鹿だなぁこいつ」
平田はコウジだけでなく、色々な男の子に手を出している。
その子たちの身体を利用して金を稼ぐことは予想がついていたが、まさか窃盗までさせるとは思っていなかった。
「最近、通報されまくってるから、そろそろ潮時かな」
ノリの軽い彼にも見切りをつけられたある日、現行犯でコウジをつかめるのに彼も付き合った。
裸で体液にまみれて眠っているコウジの姿はまさに彼の理想形だった。
彼はコウジの全身を舐めたい気分になったが、今は我慢する。
「で、これからどうする?」
車の中でマスクを外したノリの軽い男が彼に尋ねる。
「言ったでしょう?あなたにお礼をするって」
彼が考えたのはゲームショーだった。
平田の会社のアプリゲームを利用して、平田と彼に調教された子たちを利用した。
その中にはもちろん、コウジも含まれている。
「他の人はどうでもいいですけど、コウジくんの調教だけは僕にさせてください」
平田はすぐに壊れてしまったが、コウジは絶望するだけで壊れはしなかったのは彼の嬉しい誤算だった。
好評と多額の利益をもたらしたゲームショーが幕を下ろしたころ、彼はコウジを引き取ることになったのだ。
「よかったね、うまくいって」
茶化すように彼にノリの軽い男が言う。
「それにしてもよくこんな作戦思いつくよなぁ」
今野に作戦をを打ち明けた際、そうつぶやいたのを覚えている。
しかし彼は自分ができることとやるべきことを組み合わせてそれを構築しただけである。
「あたりまえですよ」
にこやかに笑う彼はもうコウジを迎え入れるだけになっている。
「かわいそうに、俺が全部忘れさせてあげるからね」
コウジを出迎えた彼に抱き着き、泣いてすがるコウジの姿に彼は感動をおぼえた。
まさにこれこそ彼が求めた姿だった。
「一緒に暮らそうか」
コウジは部屋を引き払って一緒に住むことにも四六時中彼と過ごすことにも全く疑問を抱いていない。
そればかりか積極的に彼に引っ付いてきてくれる。
「本当に、いいの?」
コウジが彼に身体を許してくれたのも、彼が思っていたよりもずいぶんと早かった。
嬉しい誤算である。
「う、うん」
はにかむコウジの姿に思いが高ぶり、欲望が爆発してしまったのは言うまでもないだろう。
「ずーっと大切にしてあげるからね」
この先、コウジには自分さえいればいい。
平田なんて些末な存在、さっさとコウジのナカから消し去ってしまえ。
かくして彼は作戦通りコウジを手に入れることができたのだった。
…
え、平田がどうなったかって?
誰もそんなことに興味はないし、忘れているだろう。
しかし彼が社長を解任された後、あの会社はアプリゲームの最先端を行く大手として世界的に名を馳せたのだった。
これはコウジの知らない裏の話である。
…
彼がコウジに目をつけたのは入学式の時だった。
「いや、だからいいって来なくて」
携帯の先にいる田舎の両親に向かって怒鳴るコウジを見かけたのだ。
今思うと一目ぼれだったのだろう。
彼はコウジを自分のものにするべく、その時から綿密に計画を立て始めた。
「へぇ、コウジくんって一人暮らしなんだ」
授業でい一緒になる度に少しづつ情報を仕入れて距離を縮めていった。
「いいよな、実家暮らしで…」
少しづつコンプレックスを刺激して彼の存在をコウジの中に根付かせていく。
そして周りから友達を排除していき、コウジには自分しかいないと思わせるようん状況に追い込んでいく。
「じゃあ、今度一緒に飲みに行こうよ」
信頼を得たところで秘密を共有する。
そのためにあの店にコウジを連れて行った。
本来、あの店は実業家たちの暇つぶし、娯楽のためにある。
「今野さん、明日連れていきたい子がいるんだけど…」
…
根回しは完ぺきだった。
今野の店の実権は裏クラウドファンディングが握っており、その最大のバックサポーターは彼の実家だった。
彼自身も高校生のころからかなりの額を出資しており、運営にも顔が利く。
そのため計画を遂行するのに必要なもう一齣も簡単に用意できた。
「あれ、珍しいですね、お連れの方がいらっしゃるの」
ノリの軽い彼こそ、実は裏クラウドファンディングのサイトの運営者でありトップである。
連れてこられた男はそれを知らないようで、ノリの軽い男を見下し、そして年若い彼のことも見下しているようだった。
しかしあっという間に彼の策に溺れていった。
「どうだいこいつは。お眼鏡にかないそうかな?」
「ええ、十分です」
ノリの軽い男はどこぞのパーティーで金に困ってそうで男色家でバカそうな男という彼の出した条件にあう男を拾ってきてくれたのだった。
「うまくいくことを願ってるよ」
「はい、このお礼は必ず」
…
平田とコウジが関係を持つまでそんなに時間はかからなかった。
それから平田が金に困るように彼は手ぐすねを引いた。
「ここの会社の社長を賭場にでも誘っといて」
次第にギャンブルにハマった平田が会社の金に手を付け、その返済に追われ始めた。
そして金に困った平田に裏クラウドファンディングのサイトを紹介してあげた。
「馬鹿だなぁこいつ」
平田はコウジだけでなく、色々な男の子に手を出している。
その子たちの身体を利用して金を稼ぐことは予想がついていたが、まさか窃盗までさせるとは思っていなかった。
「最近、通報されまくってるから、そろそろ潮時かな」
ノリの軽い彼にも見切りをつけられたある日、現行犯でコウジをつかめるのに彼も付き合った。
裸で体液にまみれて眠っているコウジの姿はまさに彼の理想形だった。
彼はコウジの全身を舐めたい気分になったが、今は我慢する。
「で、これからどうする?」
車の中でマスクを外したノリの軽い男が彼に尋ねる。
「言ったでしょう?あなたにお礼をするって」
彼が考えたのはゲームショーだった。
平田の会社のアプリゲームを利用して、平田と彼に調教された子たちを利用した。
その中にはもちろん、コウジも含まれている。
「他の人はどうでもいいですけど、コウジくんの調教だけは僕にさせてください」
平田はすぐに壊れてしまったが、コウジは絶望するだけで壊れはしなかったのは彼の嬉しい誤算だった。
好評と多額の利益をもたらしたゲームショーが幕を下ろしたころ、彼はコウジを引き取ることになったのだ。
「よかったね、うまくいって」
茶化すように彼にノリの軽い男が言う。
「それにしてもよくこんな作戦思いつくよなぁ」
今野に作戦をを打ち明けた際、そうつぶやいたのを覚えている。
しかし彼は自分ができることとやるべきことを組み合わせてそれを構築しただけである。
「あたりまえですよ」
にこやかに笑う彼はもうコウジを迎え入れるだけになっている。
「かわいそうに、俺が全部忘れさせてあげるからね」
コウジを出迎えた彼に抱き着き、泣いてすがるコウジの姿に彼は感動をおぼえた。
まさにこれこそ彼が求めた姿だった。
「一緒に暮らそうか」
コウジは部屋を引き払って一緒に住むことにも四六時中彼と過ごすことにも全く疑問を抱いていない。
そればかりか積極的に彼に引っ付いてきてくれる。
「本当に、いいの?」
コウジが彼に身体を許してくれたのも、彼が思っていたよりもずいぶんと早かった。
嬉しい誤算である。
「う、うん」
はにかむコウジの姿に思いが高ぶり、欲望が爆発してしまったのは言うまでもないだろう。
「ずーっと大切にしてあげるからね」
この先、コウジには自分さえいればいい。
平田なんて些末な存在、さっさとコウジのナカから消し去ってしまえ。
かくして彼は作戦通りコウジを手に入れることができたのだった。
…
え、平田がどうなったかって?
誰もそんなことに興味はないし、忘れているだろう。
しかし彼が社長を解任された後、あの会社はアプリゲームの最先端を行く大手として世界的に名を馳せたのだった。
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