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さびれた商店街に出資してみた
2話
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俺は結局、お楽しみ会の方を選んだ。
申し込んでから数日後、自宅に届いた招待状には集合場所と時間のみが記載されている。
そのお楽しみ会なるものがどのような催しなのか、全くわからないがその日を待ちわびるように俺は仕事に精を出すのだった。
そんな俺はさながら修学旅行が楽しみな学生のようだったのか、後輩が俺を茶かしに来ている。
「先輩、なんかいいことでもあったんですか?」
なんだかニヤニヤした後輩の様子にイラっときたので無言で彼を追い払うのだった。
…
あっという間にお楽しみ会が開かれるという連休に入った。
開催場所までは駅前からバスが出るらしい。
「ここか…」
駅前の観光バスが多く泊まっているロータリーの一角、招待状を持った人間が何人か流れていくので後に続く。
大きめの観光バスの前ではスーツを着た男性が一人一人の招待状を確認している。
裏クラウドファンディングの人といえば顔がわからないようにマスクや仮面をしていることが多いが、今回は普通に男性は顔を出している。
「お次の方どうぞ」
「あ、はい」
列に並んでいると俺の番が来た。
「確認させていただきます」
運営から届いた招待状を差し出すと、男は中を開いて持っていたペンライトで透かしを映し出した。
「けっこうでございます。バスにお乗りになったら二番の座席にお座り下さい」
招待状を受け取ってバスに乗り込む。
バスの中は一人で二席使えるようになっている。
「二番…はここか」
前から二列目の右側の席に二番と書かれている。
次々に人が乗り込んでくるが、一列目は案内役の男性が乗るのか空席のままだった。
乗ってくる人は男性のみならず女性もいる。
ただ全員共通して連れはおらず一人だ。
まもなくして扉が閉まるとバスの前で案内していた男性がバスガイドのようにマイクをもって話し始めた。
「それでは時間になりましたので出発いたします」
駅前から大きな幹線道路へとバスは進んでいく。
前に乗った時とは違って、目的地が明確になっているせいか窓から外が見れるようになっている。
「本日みなさまを目的地へとご案内し、無事にご自宅までお帰りいただくまでお手伝いさせていただきます木田と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
揺れるバスの中で立ったままマイクを持ったまま男性が一礼する。
「このバスは皆様をお楽しみの場所へとご案内いたします。途中、トイレ休憩はございますが、バス後方にもお手洗いはございます。よろしければご利用ください」
後列を振り向くとバスの後ろにはトイレのマークと個室があるようだった。
申し込んでから数日後、自宅に届いた招待状には集合場所と時間のみが記載されている。
そのお楽しみ会なるものがどのような催しなのか、全くわからないがその日を待ちわびるように俺は仕事に精を出すのだった。
そんな俺はさながら修学旅行が楽しみな学生のようだったのか、後輩が俺を茶かしに来ている。
「先輩、なんかいいことでもあったんですか?」
なんだかニヤニヤした後輩の様子にイラっときたので無言で彼を追い払うのだった。
…
あっという間にお楽しみ会が開かれるという連休に入った。
開催場所までは駅前からバスが出るらしい。
「ここか…」
駅前の観光バスが多く泊まっているロータリーの一角、招待状を持った人間が何人か流れていくので後に続く。
大きめの観光バスの前ではスーツを着た男性が一人一人の招待状を確認している。
裏クラウドファンディングの人といえば顔がわからないようにマスクや仮面をしていることが多いが、今回は普通に男性は顔を出している。
「お次の方どうぞ」
「あ、はい」
列に並んでいると俺の番が来た。
「確認させていただきます」
運営から届いた招待状を差し出すと、男は中を開いて持っていたペンライトで透かしを映し出した。
「けっこうでございます。バスにお乗りになったら二番の座席にお座り下さい」
招待状を受け取ってバスに乗り込む。
バスの中は一人で二席使えるようになっている。
「二番…はここか」
前から二列目の右側の席に二番と書かれている。
次々に人が乗り込んでくるが、一列目は案内役の男性が乗るのか空席のままだった。
乗ってくる人は男性のみならず女性もいる。
ただ全員共通して連れはおらず一人だ。
まもなくして扉が閉まるとバスの前で案内していた男性がバスガイドのようにマイクをもって話し始めた。
「それでは時間になりましたので出発いたします」
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前に乗った時とは違って、目的地が明確になっているせいか窓から外が見れるようになっている。
「本日みなさまを目的地へとご案内し、無事にご自宅までお帰りいただくまでお手伝いさせていただきます木田と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
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「このバスは皆様をお楽しみの場所へとご案内いたします。途中、トイレ休憩はございますが、バス後方にもお手洗いはございます。よろしければご利用ください」
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