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試しに絡んできた少年を陥れてみた

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「ジェイク、これであってるか?」

俺は摘んだ薬草をジェイクに確認してもらっていた。

「うん、その辺に生えてるのだいたいそうかな」

ジェイクの的確な指示のもと、俺たちは効率よく薬草を集めていった。

「これなら早く終わりそうだね」

ダニエルがジェイクに集めた分を手渡しながら言った時だった。
例のうるさい貴族のお坊ちゃんが俺たちの会話に急に水を差してくる。

「おまえたち、俺様の分も集めさせてやろうではないか」

薬草を入れるはずのケースは空っぽだが踏ん反って俺たちの前に立っている。
俺たち三人は目を見合わせた。
お互いに多分心の中で完全にこいつ何言ってんだという意見で一致している。

「おお、そんなに集めておるのであれば十分である。褒めて遣わす」

ジェイクの持っているボックスを勝手にのぞきながら偉そうに言ってきた。

「行こうぜ」

俺はお坊ちゃんを無視してケイトとザールと合流するために歩き出した。

「あぁ」

ダニエルとジェイクも一緒に歩き出す。

すると後ろでお坊ちゃんが騒ぎ始めた。

「お、お前たち!そのようなことが許されると思うか!俺様は貴族だぞ!それにお前たちと違って冒険者ランクも上なんだ!!黙って従うがよい!」

「あ、あそこにいるのケイトじゃないか?おーいケイト!!」

俺たちは完全に無視をして走り出す。
お坊ちゃんは鈍足なようで追いつけないようだ。



「おう、どうしたそんなに走って」

合流したケイトがきょとんとしている。

「例の貴族のお坊ちゃんに絡まれてさ」

俺が苦笑い気味に言う。

「…終了」

ザールが薬草で満杯になったケースをジェイクに差し出す。

「わぁ!ありがとう!これでノルマはクリアだね」

「それじゃあ報告に行こうか」

俺たち五人は採集完了を報告するために湖のほうに向かったのだった。



「すげぇ!」

木々を抜けると水色の湖面が広がっている。

「わぁ、これが湖か…!」

みんな興味深そうに湖を眺めている。

「えっと、リーダーの人はどこかな」

湖の周りをしばらく歩いていると湖の生物について探索しているチームの冒険者の一人に遭遇した。

「あの、すいません、リーダーの方がいまどのあたりにいらっしゃるかご存じないですか?」

ダニエルが彼に笑顔で優しく尋ねた。

「ひっ、あ、の、えっと…」

ダニエルに話しかけられたその人はなんだか挙動不審だった。

「大丈夫ですか?」

「え、あ、え、だ、大丈夫です…た、たぶん、あっちの方に…」

そういうと彼は森の中を指さした。

「あっち?具体的に目印とかないですか?」

ダニエルが追及する。

「あの、えっと、すいません!」

そういうと彼は一目散にどこかに向かって走って行ってしまった。

「どうする?今の信じる?」

「うーん、不安しかないよね」

「とりあえず行ってみようか」

信ぴょう性に欠けるがとりあえず彼が指さした森の中に進んでみることにしたのだった。







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