転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる!

浅上秀

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どうやら実家を勘当されるらしい

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「今日からおまえはもうこの家の子供ではない。さっさと出ていけ」

父の怒号が邸に木霊した。
俺はその声を受けながらどうしてこうなったのか考えていた。



俺は毎日、邸を抜け出し冒険者ギルドに通っていた。
邸の人間は俺に関心がないことはわかっていたので、どこに行こうが何をしようが気にしていないと思っている。

チュートリアルのおかげで、何人か冒険者仲間ができて、一緒に簡単なクエストに勤しんでいる。

「なぁ、聞いたか?最近、王都から来てるやつらがここのギルドに出入りしてるらしいぞ」

「僕も聞いたよ。確かここの領地の子爵様のご長男の友人だとかで…」

内心、俺はギクリとした。
たぶん兄や第二王子殿下たちだろう。
ヒカルにあんなことをしておいて、よくもここのギルドに顔が出せるものだ。



俺はその日、一人でクエストの完了報告に来ていた。
しかしタイミングが悪かった。
受付で何やらもめごとが起こっていたのだ。

「だから経験値がおかしいと言っているでしょう」

茶髪に細目の男、たしかビクター・ヒューリーという第二王子殿下の取り巻きの一人だ。
父親はスキル研究所の地方所長でステイン村方面を担当している。

「いいえ、これは全ギルドで共通となっております」

受付の男性は困った表情を浮かべている。

「これだから田舎は…エルグランド・ステイン、なんとかしなさい」

「はい…」

なんとビクターの後ろから兄が出てきたのだ。

「うちの領地のクエストなんだから数値ぐらい弄れるはずだ。それにこれは第二王子殿下とステイン子爵家からの命令だぞ」

兄よ、小者感が満載だ。

「そうは言われましても…」

まぁとにかく俺には関係ないので、そっと通り過ぎて完了報告をしようとした。

「とにかく、経験値は操作できませんので」

ギルドの受付の人に締め出され、ビクターに八つ当たりされた兄はかなり苛立っているようだ。

「おーい、レイ!来てたのか!」

ケイトが大声で俺に声をかけた。

「レイ…だと?」

兄がこちらを振り向く。
目が合うと兄の口角が思い切り上がった。

「おまえ、こんなところで何をしているんだ」

「…別に何も」

俺はぶっきらぼうに答えたが、兄はそれが気に入らなかったようだ。

「帰ったら父上に言いつけてやる」

そういって兄は嬉しそうに先にギルドを出たビクターの後を追って走っていった。

「レイ…俺、なんかまずいことした?」

ケイトはとてもすまなそうにしている。

「いやいいんだ…遅かれ早かれ、ばれていただろうし」

俺はようやく腹をくくることにした。






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