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目指せ、スキルのレベルアップ
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5人で組むことになってからというもの、非常に効率よくレベル上げに専念できるようになった。
「とはいったものの、スキルのレベルが上がらないな」
ケイトが椅子に座ってうなだれていた。
もうすぐ冒険者としてのランクを上げられそうなのに対して、各個人のスキルは全く上達しているように思えないのだ。
「ほんとだよね。もっとできることを増やしたいんだけど…」
ダニエルがしょんぼりしている。
スキルは王立つすればするほどできることが増えていく。
潜在能力が開花するのだ。
俺だって単に物体を壊して作り直すだけでなく、この前の男爵子息のスキルを破壊したように物体のないものにまで手を出せるようになるかもしれないのだ。
「でもジェイクはどんどん上達しているよな」
「採集のクエストが多いからだと思うよ」
ジェイクの毒使いは非常に役に立っている。
薬草と毒草を見分けるだけでなく、そこから薬品や毒の生成を任されることもある。
「いいなぁジェイクは…」
たしかにEランクでは魔物などの討伐はあまり多くないので、ケイトの物質硬化やダニエルの風を操るスキルはあまり使いどころはない。
俺のスキルも採集には向いていない。
せいぜい壊れた道具を修理するのに再構築を使うくらいだ。
「…残念」
ザールの俊足、怪力はそこそこに使いどころはあるものの、どちらかというと戦闘で役に立つためか本人は不満そうだ。
「まぁ地道にコツコツ頑張ろう」
…
「よう、レイ、お疲れ」
「カイルさん!!!」
四人と別れてギルドの食堂で夕食を食べて帰ろうとしていた俺はカイルさんに会えた。
「悪いな、最近帰れなくて」
Sランク冒険者でもあるカイルさんはあちこちの町から引っ張りだこだ。
Sランクでしかクリアできないクエストがそれだけあるということを示している。
この国ではクエストに対してSランク冒険者が足りないのでカイルさんが走り回るしかないのだ。
「いえいえ!」
俺は久しぶりにカイルさんに会えてうれしかった。
カイルさんは家族の愛情が乏しい今世の俺の家族ともいえる存在だ。
「久しぶりに一緒に飯でも食ってから帰ろうな」
ガシガシと俺の頭を撫でてくれるカイルさんに俺は喜んでついていく。
「カイル、帰ってたのか」
「おかえりなさい、カイル様」
一緒に食堂までの廊下を歩いていたが、カイルさんはいろんな人に声をかけられている。
「ただいま」
にこやかに返すカイルさんに熱っぽい視線を送る女性も多いが、全てスルーしている。
「さて、何が食べたい?」
いつもなら俺はスキル研究所でただ飯を食う。
しかしギルドの食堂はお金がかかるので自分の財布と相談して一番安いスライムもどきのスープという前世の世界でいうゼリー飲料のようなものを食べていた。
肉はクエストで比較的大きめの収入があった時にしか食べられないのだ。
「ライマのジュースが飲みたい…」
「おぅ、いいぞ、なんでも頼め!」
カイルさんが許してくれるので俺は心行くまで料理を注文することにした。
「とはいったものの、スキルのレベルが上がらないな」
ケイトが椅子に座ってうなだれていた。
もうすぐ冒険者としてのランクを上げられそうなのに対して、各個人のスキルは全く上達しているように思えないのだ。
「ほんとだよね。もっとできることを増やしたいんだけど…」
ダニエルがしょんぼりしている。
スキルは王立つすればするほどできることが増えていく。
潜在能力が開花するのだ。
俺だって単に物体を壊して作り直すだけでなく、この前の男爵子息のスキルを破壊したように物体のないものにまで手を出せるようになるかもしれないのだ。
「でもジェイクはどんどん上達しているよな」
「採集のクエストが多いからだと思うよ」
ジェイクの毒使いは非常に役に立っている。
薬草と毒草を見分けるだけでなく、そこから薬品や毒の生成を任されることもある。
「いいなぁジェイクは…」
たしかにEランクでは魔物などの討伐はあまり多くないので、ケイトの物質硬化やダニエルの風を操るスキルはあまり使いどころはない。
俺のスキルも採集には向いていない。
せいぜい壊れた道具を修理するのに再構築を使うくらいだ。
「…残念」
ザールの俊足、怪力はそこそこに使いどころはあるものの、どちらかというと戦闘で役に立つためか本人は不満そうだ。
「まぁ地道にコツコツ頑張ろう」
…
「よう、レイ、お疲れ」
「カイルさん!!!」
四人と別れてギルドの食堂で夕食を食べて帰ろうとしていた俺はカイルさんに会えた。
「悪いな、最近帰れなくて」
Sランク冒険者でもあるカイルさんはあちこちの町から引っ張りだこだ。
Sランクでしかクリアできないクエストがそれだけあるということを示している。
この国ではクエストに対してSランク冒険者が足りないのでカイルさんが走り回るしかないのだ。
「いえいえ!」
俺は久しぶりにカイルさんに会えてうれしかった。
カイルさんは家族の愛情が乏しい今世の俺の家族ともいえる存在だ。
「久しぶりに一緒に飯でも食ってから帰ろうな」
ガシガシと俺の頭を撫でてくれるカイルさんに俺は喜んでついていく。
「カイル、帰ってたのか」
「おかえりなさい、カイル様」
一緒に食堂までの廊下を歩いていたが、カイルさんはいろんな人に声をかけられている。
「ただいま」
にこやかに返すカイルさんに熱っぽい視線を送る女性も多いが、全てスルーしている。
「さて、何が食べたい?」
いつもなら俺はスキル研究所でただ飯を食う。
しかしギルドの食堂はお金がかかるので自分の財布と相談して一番安いスライムもどきのスープという前世の世界でいうゼリー飲料のようなものを食べていた。
肉はクエストで比較的大きめの収入があった時にしか食べられないのだ。
「ライマのジュースが飲みたい…」
「おぅ、いいぞ、なんでも頼め!」
カイルさんが許してくれるので俺は心行くまで料理を注文することにした。
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