転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる!

浅上秀

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ギルドの外に出ると、デュークさんは街の東側に向かって歩き始めた。

「今日は基本的に東の森で色々なことに挑戦してもらいます」

ステイン村の周りには東と西に森が、北には山が南には湖がある。
これらの場所は基本的に冒険者などの特定の職業の人しか立ち入りが許されていない。

「なるほど、東の森は強くてもDランクレベルの魔獣しかいないため比較的安全だからですね」

眼鏡をかけたいかにも真面目そうな少年がつぶやいた。

「そういうことです」

デュークは苦笑いを浮かべていた。



「ではまず薬草探しからです。ブレスレットの中から薬草集とケースを取り出してみましょう」

デュークさんはしゃらりとブレスレットを鳴らした。

「はい!」

ケイトくんは父親がやるのを見慣れているせいなのか、ブレスレットを掲げてやる気満々だ。
しかし俺を含めて彼以外の全員の頭には、はてなマークが浮かんでいる。

「ケイトくんは元気だね。それじゃあ、みんな僕に続いて呪文を復唱してみてください。我が命じる、採集クエストをスタート」

「我が命じる、採集クエストをスタート」

するとブレスレットが輝き、空中に冊子とガラスケースが現れた。

「うわぁ!」

スキルではなくまるで魔法のようだ。

「このブレスレットのスキルジュエルには様々なスキルが付与されています。ちなみにこれは空間収納のスキルを応用しているそうですよ」

デュークさんの手元には俺が持っているものよりも分厚くて表紙が立派な冊子と頑丈そうなガラスケースがある。
質問しようと口を開きかけたその時、皆より一歩後ろにいた前髪の長い、水色の髪の男の子がデュークさんに尋ねた。

「あ、あの、どうして僕たちの持っているものと、デュークさんのは違うんですか?」

「ジェイクくん、良い質問ですね。集めた薬草やランクによって冊子とケースの計上が変化するんです」

「なるほど…」

ジェイクくんと呼ばれたその子は興味津々にデュークの手元をのぞき込んでいる。

「冊子の使い方から説明していきますね。皆さんのは中をめくっても白紙だと思います」

たしかに冊子は何ページもわたって白紙が続いている。

「僕のを見てもらうと分かるように、採集したものがこのように記録されるんです」

デュークさんの冊子は植物の絵、名前、効能、採集日、採集で得られる報酬や経験値などが事細かに書かれていた。
それに厚みも俺たちのものの倍以上ある。

「ではこの辺に生えている草を適当に抜いてみてください」

隣に生えていた雑草を摘んでみる。

「このガラスケースの中に入れます」

言われた通りガラスケースの蓋をあけて、摘んだ草を入れた。
するとガラスケースと冊子がほのかに発光する。

「わぁっ」

冊子を開くと、今摘んだ草の名前や今日の日付が記入されている。
ペソペソ草、効能特になしか…。





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