転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる！

力を蓄える

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「無事に帰ってこれたらライマのジュース奢ってあげるからね」

カイルさんは手をひらひらさせながら去っていった。
俺はキョロキョロとあたりを見回しながら集合場所を探す。

部屋の中にある仕切りにはそれぞれクエストの名前の書かかれたプレートが下がっている。

「お、ここだ」

Fとチュートリアルと書かれた仕切りを発見した。
中の様子を伺うと、少年が4人ほどいる。
年は俺と同じか少し上くらいだろうか。

「君もチュートリアルの参加かな？」

銀のブレスレットをして端末を片手に持った男性が俺に声をかけてくる。

「あ、はい」

「ではこちらへどうぞ」

促されるまま仕切りの中に入る。
案内してくれた男性が全員に向かって話し始めた。

「私はチュートリアルの案内担当のヂュークです。冒険者ランクはC、冒険者歴は9年くらいかな。これで全員そろったみたいなので出席を取らせてもらいますね」

デュークさんは端末の上に手をかざした。
すると名前が浮かび上がってくる。

「それじゃあ自分の名前に触れてくれるかな」

浮かび上がった名前をブレスレットをしているほうの手で触れた。
すると光が二つに別れて、一つは端末に、残りはブレスレットに吸収された。

「うん、大丈夫そうだね。それではまず今日の流れについて説明します」

デュークさんが端末を二回叩くと、俺たちの目の前に大きなスクリーンのようなものが現れた。
そこには今日の工程のようなものが書かれている。

「一つ目、薬草などの採集系のクエストのやり方の説明を行います」

デュークさんは一つ一つ読み上げながら丁寧に説明してくれる。

「次に魔獣などの狩りを行うクエストについての説明、最後にクエストの完了報告のやり方を説明して今日は終了です」

ポワンとスクリーンが消えた。

「何か質問はありますか？」

「はいはいはーい！」

赤褐色の短髪のいかにも元気系の男の子が手を挙げた。

「あ、うーんと、ケイトくんだね。なにかな？」

デュークさんが端末で名前を確認しながら尋ねた。

「うちのとーちゃんが、ダンジョンに潜る方法も教えてもらえるって言ってたんだけど、教えてくれねーのかよ！」

「え、君、知らないの！？ダンジョンに入れるのはDランク以上だよ」

ケイトくんの隣にいた深緑のくせ毛が特徴的な男の子がオリーブ色の目をさらに丸くして答えた。

「ええ、ダニエル君のいう通りです。下級のダンジョンでもDランクにならないと潜ることが認められていないんですよ。」

「ええー…俺今日からダンジョン入る気で来たのに…」

ケイトくんは心なしか肩を落としている。

「まぁまぁ、今日はクエストに行く練習みたいなものですから、気軽に頑張りましょう。ほかに質問が無いようでしたら出発しましょうか」

俺を含めて六人は頷き、デュークさんの後に続いて歩き始めた。
いよいよ初めてのクエストに出発だ。