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力を蓄える
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俺はカイルさんとの会話の中でスキルだけでなく、知識も身に着ける必要があると悟った。
たしかにむやみやたらに力だけをつけても、知識がなければ作戦も立てられないし…。
「カイルさん、俺、スキルも磨きたいし、冒険者としてのランクも欲しい、あと知識も付けたいです」
俺はカイルさんに宣言した。
「欲張りすぎるのはよくないと思うけど?」
まだカイルさんの目は笑っていない。
「わかってます…でも俺はやらなきゃいけないから」
ヒカルのために、という大義名分をもとに俺は復讐を決めたのだ。
じっとカイルさんを見つめていると、カイルさんはようやく笑ってくれた。
「うん、さっきよりもうんと良い目をしている。でも復讐に囚われすぎてはいけないよ。復讐を果たした後、無気力になってしまったらそれこそ意味がないんだから」
「は、はい。でもカイルさん詳しいですね…」
「まぁね」
カイルさんも誰かに復讐したことがあるのだろうか、それとも現在進行形なのだろうか。
突っ込んだ話を聞くにはまだお互いを知らなさすぎるような気がした。
…
俺はそれからというもの、カイルさんに指示を受けながら日々鍛錬に励んだ。
ただ実家から籍は抜いていないものの、冒険者になるとは知らせていないので外泊できないことが目下の悩みである。
「そういえば、ヒカルの兄さん今年入学だろう?」
カイルさんに教えてもらい始めてから約一か月が経過したころだった。
「え、そうなんですか?」
「そうなんですかってお前…街でも話題になってたぞ。王都の学園への入学許可が下りたって」
「へぇ…」
この世界には義務教育制度はなく、各家庭に教育方法は任せられている。
ただ貴族の嫡男は王都の学園に通って、人脈の形成やスキルの向上に励むことが認められているのだ。
男爵から公爵まで嫡男であれば誰でも通えるが、専科はわかれており得意分野や興味のあることに専念できる。
また女性の場合は、よりよい縁談のため長女ではなくても学園の淑女科に進学することが認められている。
ただし爵位に加減があるが。
それから王族は全員卒業が必須であり、王位継承権も卒業後に選定が行われる。
学校内が小さな国としてみなされ、3年間の態度や学力、意欲などが総合的に判断されるらしい。
「へぇって、ちょっとは興味持てよ、レイの家族のことだろ?」
カイルさんはあきれたまなざしを向けてくるが、こればかりはしょうがない。
「興味ないというか、家族の会話とか聞いたことないので」
「そうか…」
カイルさんは励ましなのか、ポンポンと俺の頭をなでてくれた。
たしかにむやみやたらに力だけをつけても、知識がなければ作戦も立てられないし…。
「カイルさん、俺、スキルも磨きたいし、冒険者としてのランクも欲しい、あと知識も付けたいです」
俺はカイルさんに宣言した。
「欲張りすぎるのはよくないと思うけど?」
まだカイルさんの目は笑っていない。
「わかってます…でも俺はやらなきゃいけないから」
ヒカルのために、という大義名分をもとに俺は復讐を決めたのだ。
じっとカイルさんを見つめていると、カイルさんはようやく笑ってくれた。
「うん、さっきよりもうんと良い目をしている。でも復讐に囚われすぎてはいけないよ。復讐を果たした後、無気力になってしまったらそれこそ意味がないんだから」
「は、はい。でもカイルさん詳しいですね…」
「まぁね」
カイルさんも誰かに復讐したことがあるのだろうか、それとも現在進行形なのだろうか。
突っ込んだ話を聞くにはまだお互いを知らなさすぎるような気がした。
…
俺はそれからというもの、カイルさんに指示を受けながら日々鍛錬に励んだ。
ただ実家から籍は抜いていないものの、冒険者になるとは知らせていないので外泊できないことが目下の悩みである。
「そういえば、ヒカルの兄さん今年入学だろう?」
カイルさんに教えてもらい始めてから約一か月が経過したころだった。
「え、そうなんですか?」
「そうなんですかってお前…街でも話題になってたぞ。王都の学園への入学許可が下りたって」
「へぇ…」
この世界には義務教育制度はなく、各家庭に教育方法は任せられている。
ただ貴族の嫡男は王都の学園に通って、人脈の形成やスキルの向上に励むことが認められているのだ。
男爵から公爵まで嫡男であれば誰でも通えるが、専科はわかれており得意分野や興味のあることに専念できる。
また女性の場合は、よりよい縁談のため長女ではなくても学園の淑女科に進学することが認められている。
ただし爵位に加減があるが。
それから王族は全員卒業が必須であり、王位継承権も卒業後に選定が行われる。
学校内が小さな国としてみなされ、3年間の態度や学力、意欲などが総合的に判断されるらしい。
「へぇって、ちょっとは興味持てよ、レイの家族のことだろ?」
カイルさんはあきれたまなざしを向けてくるが、こればかりはしょうがない。
「興味ないというか、家族の会話とか聞いたことないので」
「そうか…」
カイルさんは励ましなのか、ポンポンと俺の頭をなでてくれた。
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