転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる!

浅上秀

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最悪の事件

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家に帰ると男たちはもういなくなっていた。

「くそっ、これじゃあ話聞けねぇじゃねーかよ…」

邸の中をこっそり歩き回っていると、噂好きの使用人がいた。

「あいつなら…」

俺はそいつのあとをつけた。

「ねぇねぇ聞いた?」

ある部屋で掃除を始めたそいつがもう一人、同じ部屋にいる使用人に話しかけ始めた。

「なになに?またなんか面白い話?」

「そうそう…ついにあのおぼっちゃま、やらかしたらしいわよ」

「え、そうなの?」

おぼっちゃまとは兄のことだろう。

「ほら、夜中に突然、騒がしくなったじゃない?」

「ええ、朝になってからお客様がたくさんいらしてたのは知ってたけど…」

「それがね、王都から第二皇子殿下と宰相補佐の御子息と騎士団の副団長の御子息とスキル研究所地方所長の御子息がいらしてたらしいのよ」

「え!そんなに高貴な方々が!?」

父が謙っていた男たちはたしかに偉そうだった。

「そうらしいの。どうやらおぼっちゃまのご学友でね。今、学園は長期休暇中でしょ?だからスキル向上と避暑目的でここの近くの別荘にきてたらしんだけど…」

おしゃべりな使用人は言葉を切った。

「もう!もったいぶらずに教えなさいよ!」

痺れを切らしたもう一人の使用人が手を止めておしゃべりな使用人の肩を掴んだ。

「わ、わかってるわよ…それがね、どうやら大変なことが起きたらしいのよ…」

「大変なこと?」

「そう…人を殺してしまったとか…」

「えええええ!?」

「しーっ!!」

おしゃべりな使用人は慌ててもう一人の使用人の口を手でおさえた。

「んんんん!」

「あ、あらごめんなさい」

「はぁ…で、殺したって本当なの?」

「ええ…人を殺してしまったことがが皇太子様側に伝わったら、今後の王位継承問題に影響が出るから揉み消せって」

「だから旦那様の機嫌がものすごく悪いのね…で、その子ってどこの子だったの?」

やはり殺されたのはヒカルのことなのだろうか。

「うーん、下町の庶民で鑑定スキルもちの子としかわからないのよ」

「でもなんで鑑定スキルもちだってわかったの?」

「それがね、どうやらあのパーティ、鑑定とか索敵に特化した方がいらっしゃらなくて、新しくスカウトしようとしたらしいのよ。ほらここの下町のギルドはそういうのに特化してるじゃない?」

「そうね、なんなら探し物ならこの村のギルドにって言われてるくらいだし」

「それでスカウトに来たらしいんだけど、年齢だとかまだパーティを組んでいないとか色々な条件でその子が選ばれたらしいんだけど、拒否したらしいのよ」

「え、何で?」

「一緒に組むって決めてる人がいるからって」

これを聞いて俺はそっとその部屋を離れた。







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