転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる！

力を蓄える

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俺は冒険者として登録したものの実家かろ籍は抜かなかった。
今後のことを考えると、貴族として身分があったほうが動きやすいと思った。

まずはスキルの向上が不可欠だと考え、誰かに師事してもらおうと思った。
ヒカルの父に相談すると快くギルドの人を紹介してくれた。

「やぁ、久しぶりだね。ヒカルくんのお父さんからだいたいの話は聞いているよ」

俺を待っていたのは前にヒカルと初めてギルドを訪れた時に出会ったカイルさんだった。
何度かギルドで姿を見かけてはいたものの、直接的に関わる機会は今までなかった。

「ほ、本当にいいんですか？」

聞くところによるとカイルさんは結構高位ランクの冒険者らしい。

「もちろんさ」

カイルさんは笑顔でそう答えてくれたが、目が笑っていない。

「は、はは」

…

俺とカイルさんはヒカルと二人でよく使っていたスキルを修行する部屋に入った。
部屋に入るなりカイルさんは真剣な顔つきになり、鋭い目が俺を射抜いた。

「それで、君の本当の目的はなんだい？」

「ほ、本当の目的もなにも…ただ強くなりたいだけです。ヒカルの代わりに夢を叶えるために、冒険者になるために！」

「ふーん…」

カイルさんはいまいち納得してくれていないようだ。

「わ、わかりました…実はヒカルを殺した奴らに復讐したくて…」

俺はヒカルが死んだこと、邸をで聞いた兄や父の話、使用人の会話などを包み隠さずカイルに話した。
それを踏まえて復讐したいが今の俺では力不足であること、強くなりたいことを伝えたい。

俺の熱意を全て聞いてからカイルさんは目をつぶって言った。

「厳しいけど復讐は叶わないと思った方がいいね」

「わかってます。俺がまだ弱いから…」

「いや、それだけじゃない。まず時勢が悪いな。」

「時勢？」

「そう、今世間は第二皇子殿下に王位を継承させようという流れが主流なんだ。その側近たちにも強力な権力を与えようと上が動き出している。」

「そう、なんですか？」

俺は王都の事情には疎かった。

「そしてその権力のおこぼれに預かりたいのが君のご家族だろう？」

「たしかに…」

父と兄は権力に蓼食う虫のようなのはたしかだ。

「だからもしここで第二皇子殿下やその側近を排除したとしたら…わかるよな？」

「は、はい…じゃあ俺の力不足だけじゃなく、王位継承権も第二皇子から王太子に引き寄せる必要があると…」

「そういうことだ。だが王太子殿下は出自が悪いのと、才能もパッとしない、おまけにどこかに引きこもっていて社交に出てこないだとか」

もはや俺にはどうしようもないじゃないか…。