転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる！

力を蓄える

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俺は学園の制度について概要しか知らなかった。
カイルさんに尋ねたところ、自分で調べろと言われてしまった。
たしかにそれもそうだ。

「えーっと、王国史の学園編はどこにあるんだ…」

冒険者ギルドには図書館のような資料や文献がたくさん置かれた資料室がある。
ランクによっては持ち出しが認められている人もいるが、俺はランクが低いのでこの場で読むしかない。

「あ、あった」

目当ての本は意外と簡単に見つかった。

…

「なるほどな…」

学園の仕組みはだいたい話に聞いた通りだった。
だが一つだけ発見があった。
それは貴族の嫡男以外でも通える方法があるということである。

しかしそのためには条件があった。
冒険者として高位のランクで、後々爵位を与えられることが見込まれる人であることだ。

そもそも冒険者のランク設定はSランクが最上位で、その下にA、B、C、D、E、Fとなっている。
条件が示す高位とは入学する際にBランク以上であることのようだ。

冒険者ギルドに登録したものはみなFランクからスタートして、普通は2年で上がれてDが限界だ。
なぜなら一つ上のEランクを上げるために必要なクエストが300個なのだ。
さらに上のDランクに上がるには800個ほどのクエストをクリアする必要がある。
ただしクエストのクリアではなく、それに相当する経験値を得れば上がれないこともない。

そしてCランクは1200個、Bランクになると2000個となるが、クエストのクリアだけではなくBランク以上になるためにはさらなる条件がつく。

ギルドが指定した高位ランク昇格用のクエストのクリアまたはギルドマスター、および王族からの推薦だ。
ギルドによって求められる昇格用クエストの中身は異なるが、例えば国を滅ぼせるレベルの魔獣の撃退だとか、世界中で指名手配されている犯罪者の捕獲などがあげられる。

「Bランクを学園入学時点で取得していた人は今までに二人しかいなかったのか…」

残念ながら名前は載っていないが、相当優秀なのだろう。

Bランクは国内のギルドに70人、Aランクは10人、Sランクは3人しかいない。
世界で見るともう少し人数は増えるようだが。

「じゃあ学園で復讐するのはやっぱり無理なのかなぁ…」

ただ卒業したら第二皇子殿下の王位継承権が確定するのではという噂がまことしやかにささやかれているのも事実だ。

「どっちにしてもタイムリミットは2年か…」

猶予は長いようで短い。
ぼーっと、していたらあっという間に時間を無駄にしてしまいそうだ。

「こうなればさっさとクエストに出て経験値だけでも稼ぐか」

俺は本を閉じて資料室を飛び出した。