転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる!

浅上秀

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物語の始まり

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急に俺たちは後ろから声をかけられた。

「俺たちの横を挨拶もなしに通り過ぎるなんて」

「そうだそうだ」

振り向くと先日、俺に絡んできた10歳くらいの男の子、三人組だった。
ヒカルと俺は顔を見合わせる。

「またこいつらかよ…」

「懲りないね」

はぁっと二人の口から同時にためいきが出た。

「ヒカル、お前はいつも生意気なんだよ!これでもくらえ!!」

彼らのうちの一人が急に両手を空に向ける。

「我が命じる、この男たちを焼き尽くせ、ファイヤーボム」

「は!?」

俺は驚くが、ヒカルは平然としている。

「大丈夫だよ。あいつのスキル、大したことないから」

スキルが発動されたものの、彼の掌がオレンジに光る程度だった。

「ほんとだ。大したことねぇな」

スキルの名前だけはかっこいいのにな。

「な、なんだと!」

彼の顔が赤くなる。

「お前はどいてろ!今度は俺の番だ」

別の男の子が前に出てくる。

「我が命じる、あの者たちの足元を崩せ、ラウンドシェイク」

するとその子の近くにあった石が一つだけ揺れた。

「いや、ほんとに大したことねぇな…」

「うん…」

俺たち二人で呆れていると、三人目の男が嬉々として声を上げた。

「かかったな!俺のスキルを目だ出せるためにこいつらのスキルがあるんだよ!」

「うわっ」

「我が命じる、あの者を縛り付けろ、タイトロープ」

「ヒカル!」

ヒカルが縄のようなもので縛られてしまった。

「卑怯だぞ!お前たち!」

棒読みになっちゃったけど一回、このセリフ言ってみたかったんだよな~。

「ははは!おまえたちが生意気なのが悪いんだよ!!」

三人は高笑いしているが、俺もヒカルも呆れていた。

「まぁ実戦で試すのもありか…」

嬉しそうにしているところ悪いが、俺もスキルを使わせてもらうことにしようじゃないか。

「我が命じる、この者を縛るものを破壊せよ、デストロイヤー」

すると縄が千切れて床に落ちた。

「な、なんだと!」

高笑いしていた男たちがフリーズした。

「レイ、ありがとう」

「お、おう」

ヒカルが無事で何よりだ。

「てことで、反撃でもしようか」

「そうだな…」

二人で三人組を睨む。

「お、覚えておけよ!!」

「絶対、許さないからな!」

「覚悟しておけ!」

三人はマンガのような捨て台詞を残して逃げて行った。

「はは、雑魚だなぁ」

俺はなんだか清々しかった。
思い返してみても、前世から一度も誰かに喧嘩で勝った覚えがない。
今生きていて初めて、自分の力で勝てた気がする。

今の状況を喧嘩といっていいのかは怪しいが…。




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