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物語の始まり
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俺は修業に使えそうな道具を棚から物色していた。
もちろんヒカルでなければ取り出せないので、欲しいものを見つけたらすぐにヒカルに頼んで出してもらっている。
「そういえば結局、レイのスキルってどんなの?」
「あー、破壊と再構築らしい」
「え、二つもあるの!?」
ヒカルは目を瞬かせる。
「うん」
「うわぁ、初めてだよ!二つもスキル持ってる人に会えるなんて!!」
ヒカルの目が輝いている。
どうしよう、ヒカルに転生者であることも告げるべきなのだろうか。
「やっぱり二つもあるのって珍しいのか?」
「お父さんからも聞いたことないし、ギルドにもいないと思うよ」
「そっか…これって秘密にしておいたほうがいいのか?」
珍しい力の持ち主は実験体にされたり、手ひどく扱われたりしないか、急に不安になってきた。
「うーん、なんともいえないなぁ…今度、ちょっとお父さんにそれとなく聞いてみるね」
「頼んだ!」
…
俺はヒカルに棚から出してもらったものに片っ端から触れていった。
触っては壊して、それをまた全く同じ状態をイメージして再構築させる。
そしてそれをヒカルが鑑定する。
「あー、疲れた。一旦、休憩…」
俺は大の字になって床に寝転がった。
「うん、だんだん作り直すのうまくなってきてるね」
最初は剣が逆刃になってしまったり、弓がハープになったり、再構築がうまくいかなかった。
しかしスキルを使っているうちに、単純な物体であればほとんど同じ状態に戻せるようになってきた。
「鑑定では同じって出ないんだろ?」
「ミリ単位でサイズが違ってたり、金属の配合とかがちがうみたいだよ」
誤差の程度で許してほしい。
「でもスキルって使うとこんなに疲れるんだな…」
お昼にあんなにたくさん食べたのに、俺はもうおなかがペコペコだ。
「スキルは体力と精神力の両方を使うからね。鍛えれば鍛えるほど使えるようになるんじゃないかな」
ヒカルは壁の棚からタオルを取り出して汗だくの俺に渡してくれる。
「じゃあ筋トレとかもしなきゃだな…」
これからの特訓メニューも考える必要がありそうだ。
「そろそろ時間みたいだし今日はもうやめとく?」
「そうだな」
俺は汗をぬぐって起き上がった。
入ってきた壁近くにある砂時計の砂はもう残り少なくなっている。
…
部屋を出て受付の横を通り過ぎる。
「ありがとうございました」
男性に声をかけてギルドの建物から出た。
「喉乾いたな…」
「あ、僕美味しいジュースのお店知ってるよ」
「だから俺、金持ってないって」
二人で何気ない会話をしながら歩いていた時だった。
「おい、ちょっと待てよ」
もちろんヒカルでなければ取り出せないので、欲しいものを見つけたらすぐにヒカルに頼んで出してもらっている。
「そういえば結局、レイのスキルってどんなの?」
「あー、破壊と再構築らしい」
「え、二つもあるの!?」
ヒカルは目を瞬かせる。
「うん」
「うわぁ、初めてだよ!二つもスキル持ってる人に会えるなんて!!」
ヒカルの目が輝いている。
どうしよう、ヒカルに転生者であることも告げるべきなのだろうか。
「やっぱり二つもあるのって珍しいのか?」
「お父さんからも聞いたことないし、ギルドにもいないと思うよ」
「そっか…これって秘密にしておいたほうがいいのか?」
珍しい力の持ち主は実験体にされたり、手ひどく扱われたりしないか、急に不安になってきた。
「うーん、なんともいえないなぁ…今度、ちょっとお父さんにそれとなく聞いてみるね」
「頼んだ!」
…
俺はヒカルに棚から出してもらったものに片っ端から触れていった。
触っては壊して、それをまた全く同じ状態をイメージして再構築させる。
そしてそれをヒカルが鑑定する。
「あー、疲れた。一旦、休憩…」
俺は大の字になって床に寝転がった。
「うん、だんだん作り直すのうまくなってきてるね」
最初は剣が逆刃になってしまったり、弓がハープになったり、再構築がうまくいかなかった。
しかしスキルを使っているうちに、単純な物体であればほとんど同じ状態に戻せるようになってきた。
「鑑定では同じって出ないんだろ?」
「ミリ単位でサイズが違ってたり、金属の配合とかがちがうみたいだよ」
誤差の程度で許してほしい。
「でもスキルって使うとこんなに疲れるんだな…」
お昼にあんなにたくさん食べたのに、俺はもうおなかがペコペコだ。
「スキルは体力と精神力の両方を使うからね。鍛えれば鍛えるほど使えるようになるんじゃないかな」
ヒカルは壁の棚からタオルを取り出して汗だくの俺に渡してくれる。
「じゃあ筋トレとかもしなきゃだな…」
これからの特訓メニューも考える必要がありそうだ。
「そろそろ時間みたいだし今日はもうやめとく?」
「そうだな」
俺は汗をぬぐって起き上がった。
入ってきた壁近くにある砂時計の砂はもう残り少なくなっている。
…
部屋を出て受付の横を通り過ぎる。
「ありがとうございました」
男性に声をかけてギルドの建物から出た。
「喉乾いたな…」
「あ、僕美味しいジュースのお店知ってるよ」
「だから俺、金持ってないって」
二人で何気ない会話をしながら歩いていた時だった。
「おい、ちょっと待てよ」
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