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物語の始まり
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「でもスキルを試すっていったってどこで試すんだよ…」
「とっておきの場所があるからついてきて!」
食堂を出た俺たちは昨日も来たギルドの中に入った。
実は昨日、入り口までしか入れなかったので中に入るのはこれが初めてだ。
入り口を抜けると吹き抜けになっている。
正面には依頼の書かれた巨大な掲示板がある。
そして掲示板の左右にはいくつも道が分かれており、行き先がわかりやすいように案内板に書かれている。
「こっちだよ」
ヒカルのあとについて右から二番目にみえる廊下に進んでいく。
「こんにちは」
廊下の先には受付があり、男性が一人座っている。
「あの、練習場を借りたいんですけど…」
ヒカルが声をかける。
「かしこまりました。それではギルドでの登録名と使用時間をこちらにお願いします」
男は前世で使っていたタブレット端末のようなものを取り出した。
ヒカルはそれを左手に持つと、右手を画面の上にかざした。
「登録名 鑑定団体所属扶養家族 使用時間は 3時間 でよろしいですか?」
男性がヒカルに尋ねる。
「はい」
ヒカルはそう答えて端末を返却した。
「では3Nへどうぞ」
…
「受付のあれってどうなってるんだ?」
指定された場所に行く道すがら俺はヒカルに尋ねる。
「あれもスキルジュエルの一種なんだ。人の考えていることとかを読み取って伝達してくれるんだって。詳しいことはよくわからないんだけど」
ヒカルは苦笑気味に教えてくれた。
「鑑定スキルでもわからないの?」
「うーん、人のスキルは見やすいんだけど、物のスキルはわかりにくいんだよね。なんとなくは見えるんだけど…」
「ふーん…」
スキルにも個人によって色々あるみたいだ。
…
「ここ、だね」
3Nと書かれた場所でヒカルが立ち止まる。
ヒカルが文字の前に手をかざすと、壁が輝いて入り口が現れた。
「これもスキル?」
「だね」
部屋の広さは前世の小学校の視聴覚室ほど、物はなにも置かれていない。
天井はそこそこ高く、ガラス窓から日の光が差し込んでいる。
「これなら広いし、スキルの練習が好きなだけできるんだ」
「ヒカルはよく来るのか?」
「うん、僕のお父さんがいつでも使えるように登録してくれてるんだ」
ヒカルは何もない壁に手をかざす。
すると壁が輝き、壁一面に棚が現れた。
「開けてみて」
ヒカルに促されるがままに中をみると、剣、盾、弓矢などの武具が入っている。
隣にはありとあらゆる素材でできたタイル、鉱石などがある。
「この棚は?」
「いろんなスキルの人たちがいるから、その練習のために使える道具が入っているんだ。この部屋を借りる契約をした人しか取り出せないんだ。あとこの部屋から持ち出すこともできない」
試しに剣に触れてみるが、何もつかめなかった。
ヒカルが触れると、剣は具現化したのか手渡された俺でもつかむことができた。
「さ、色々試してみようよ」
「とっておきの場所があるからついてきて!」
食堂を出た俺たちは昨日も来たギルドの中に入った。
実は昨日、入り口までしか入れなかったので中に入るのはこれが初めてだ。
入り口を抜けると吹き抜けになっている。
正面には依頼の書かれた巨大な掲示板がある。
そして掲示板の左右にはいくつも道が分かれており、行き先がわかりやすいように案内板に書かれている。
「こっちだよ」
ヒカルのあとについて右から二番目にみえる廊下に進んでいく。
「こんにちは」
廊下の先には受付があり、男性が一人座っている。
「あの、練習場を借りたいんですけど…」
ヒカルが声をかける。
「かしこまりました。それではギルドでの登録名と使用時間をこちらにお願いします」
男は前世で使っていたタブレット端末のようなものを取り出した。
ヒカルはそれを左手に持つと、右手を画面の上にかざした。
「登録名 鑑定団体所属扶養家族 使用時間は 3時間 でよろしいですか?」
男性がヒカルに尋ねる。
「はい」
ヒカルはそう答えて端末を返却した。
「では3Nへどうぞ」
…
「受付のあれってどうなってるんだ?」
指定された場所に行く道すがら俺はヒカルに尋ねる。
「あれもスキルジュエルの一種なんだ。人の考えていることとかを読み取って伝達してくれるんだって。詳しいことはよくわからないんだけど」
ヒカルは苦笑気味に教えてくれた。
「鑑定スキルでもわからないの?」
「うーん、人のスキルは見やすいんだけど、物のスキルはわかりにくいんだよね。なんとなくは見えるんだけど…」
「ふーん…」
スキルにも個人によって色々あるみたいだ。
…
「ここ、だね」
3Nと書かれた場所でヒカルが立ち止まる。
ヒカルが文字の前に手をかざすと、壁が輝いて入り口が現れた。
「これもスキル?」
「だね」
部屋の広さは前世の小学校の視聴覚室ほど、物はなにも置かれていない。
天井はそこそこ高く、ガラス窓から日の光が差し込んでいる。
「これなら広いし、スキルの練習が好きなだけできるんだ」
「ヒカルはよく来るのか?」
「うん、僕のお父さんがいつでも使えるように登録してくれてるんだ」
ヒカルは何もない壁に手をかざす。
すると壁が輝き、壁一面に棚が現れた。
「開けてみて」
ヒカルに促されるがままに中をみると、剣、盾、弓矢などの武具が入っている。
隣にはありとあらゆる素材でできたタイル、鉱石などがある。
「この棚は?」
「いろんなスキルの人たちがいるから、その練習のために使える道具が入っているんだ。この部屋を借りる契約をした人しか取り出せないんだ。あとこの部屋から持ち出すこともできない」
試しに剣に触れてみるが、何もつかめなかった。
ヒカルが触れると、剣は具現化したのか手渡された俺でもつかむことができた。
「さ、色々試してみようよ」
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