転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる!

浅上秀

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物語の始まり

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スキル研究所を出て、再び街に戻る。
ヒカルの後をついていくと昨日訪れた冒険者ギルドの近くまで来た。

「さ、ここだよ」

そこは入り口からひっきりなしに人の出入りがある建物だった。

「ここって…?」

「とりあえず入ろうか」

ヒカルに背中を押されながら建物の中に入った。
建物の中にはいるとすぐに肉の焼けるいい匂いがした。
そして所狭しとテーブルと椅子が並べられていて、たくさんの人たちが食事を楽しんでいた。

「いらっしゃい、何名様ですか?」

入り口近くにいたエプロン姿の女性が俺たちに尋ねる。

「二人です」

ヒカルが二本、指を立てる。

「はーい、こちらへどうぞ」

「ひ、ヒカル、俺、お金持ってない…」

席につこうとするヒカルに慌てて伝える。

「あぁ、大丈夫だよ。ここはスキルを持ってる人であれば誰でも使える食堂なんだ」

「スキルを持っていればいいのか?」

「うん、お代の払い方は帰るときに教えるね」

席に着くとヒカルがメニュー表を手渡してくれる。

「昨日から思ってたけど、ヒカル詳しいよな」

俺はメニュー表を受け取りながら感心していた。

「お父さんが教えてくれるんだ」

ヒカルは照れ笑いを浮かべていた。



「これなんて読むんだ?」

この世界に来てまだ5年の俺には読めない文字、知らない言葉が意外とたくさん存在する。
動植物なんかがそうだ。

「これは…コカトリスもどきって書いてある。もどきっていうのは、成長の過程で毒が発生しなかったもののことを言うんだ。主に人が食べるために飼育されてたりするとそうなるみたいだよ」

「へー…」

「僕はこっちのオークもどき焼きがおすすめかな」

「お、オークって読むんだ…」

「うん、オークはちょっと脂っぽいけど食べ応えがあるよ」

「う、うーん…」

メニューに載っている生物は聞けば聞くほど未知すぎて、恐怖心があおられる。

「ちょっとごめんよ」

そんな時、俺の後ろをお盆に乗せた料理を運んでいく店員がいた。

「あ、あれ、おいしそう…俺、あれにする」

「え、あれにするんだ…ふーん」

ヒカルが意味ありげな表情を浮かべていたのでなんだか嫌な予感がした。



「おまたせしましたー、こっちがオークもどき焼きでーす」

「はい!」

目を輝かせたヒカルの前にお盆が置かれる。
食べやすいサイズにカットされた肉、パン、飲み物にジュース、そしてサラダがある。

「僕、ここのライマのジュースとケーラのサラダも好きなんだ」

ライマとはライチの形をしたレモンのように甘酸っぱいフルーツだ。
果汁を絞ると前世でいうオレンジジュースのような飲み物になる。

ケーラは黄色いレタスのようなもので、味はちょっと苦い。
生のまま食べるが、肉との相性が抜群だ。






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