転生した俺は破壊と再構築スキルで這い上がってやる!

浅上秀

文字の大きさ
上 下
5 / 40
物語の始まり

5

しおりを挟む
「次は君かな?」

スキルクリスタルに近づくと、白衣のような白いローブを身にまといフードを目深にかぶった男性が俺たちに声をかけてくる。

「レイ、いってらっしゃい」

「おう」

俺は一歩、また一歩と徐々にその強い光に近づいていく。

「それじゃあ、両手をここに」

男性の手本通りに手を差し出す。

「はい」

「それじゃあ、今からいうことを繰り返してみて…我に秘めされし力を示せ、スキルステータスオープン」

心の中で呪文を唱えることに対しての気恥ずかしさを覚えた。

「我に秘めされし力を示せ、スキルステータスオープン」

両手の中にA3サイズくらいの四角い光の塊が現れた。
そこには文字がびっしりと書いてある。

…………………………
名前 レイ・ステイン 子爵令息
家族構成 父 母 兄
年齢 5歳(→精神年齢 32歳)
出身地 ステイン子爵領ステイン村
レベル 0/999
所属 子爵家
…………………………

おいおい、個人情報が駄々洩れ状態じゃないか。
心の中でツッコミながらも読み進めていく。
そして目的のスキルが書かれている欄を探していると、その前にこう書かれていた。

…………………………
前世 サラリーマン(凡)
享年 27歳
出身世界 表示できません
…………………………

前世のプライバシーまで晒されるとは侵害も甚だしい。
というか俺27歳で死んだのか…だから前世と合わせて今の精神年齢が32歳…。

しかしその下に探していたものがようやく書かれていた。

…………………………
保有スキル 破壊
スキル説明 この世に破壊できないものは何もない。有形無形問わず破壊可能
属性 オリジナル
スキル成長まで ###exp

保有スキル 再構築
スキル説明 破壊したものを新しく作り直すことができる。しかし破壊する前と同一にはできない
属性 オリジナル
スキル成長まで ###exp
…………………………

親の属性の遺伝、どこにいった。
待てよ…もしかして母さんの属性か?
父と兄のスキルは確認したが、母のは確認していない。
きっとそうに違いない。

「どうだい?」

読みながら考えを巡らせていると男性が俺に声をかけてくる。

「え、あ、えっと…」

まずい、前世やらなにやら見られたら困る気がするぞ。
俺は焦って手で前世の項目だけでも見られないように隠そうとした。

「ははは、他の人には見えない作りになっているからね。ゆっくり読んでいきなよ」

そんな俺の焦りに気付いたのか男性はおっとりと笑った。

「あ、ありがとうございます」

そしてすべてを読んだ俺は最後に書かれた注意書きに気づいてしまった。

…………………………
なお転生者はその特典としてオリジナルスキルが付与されますが、スキルの遺伝はございませんのでお取り扱いにはご注意ください。
…………………………

見なかったことにしたいぞここ…。
ショックで腕を下げると光は消えて見えなくなった。

「おや、もういいのかい?」

「は、はい」

「スキルレベルの変化とかも見ることができるから、またおいで」

「あ、ありがとうございます」

俺がスキルクリスタルから離れるとヒカルが近づいてきた。

「どうだった?」

「うーん…」

俺はどこまでヒカルに話せばいいのかわからなかった。

「あれ?なんかあった?」

「うん…」

「ここじゃあれだから、美味しいものでも食べながら話そうよ」

「え?」







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...