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物語の始まり
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「次は君かな?」
スキルクリスタルに近づくと、白衣のような白いローブを身にまといフードを目深にかぶった男性が俺たちに声をかけてくる。
「レイ、いってらっしゃい」
「おう」
俺は一歩、また一歩と徐々にその強い光に近づいていく。
「それじゃあ、両手をここに」
男性の手本通りに手を差し出す。
「はい」
「それじゃあ、今からいうことを繰り返してみて…我に秘めされし力を示せ、スキルステータスオープン」
心の中で呪文を唱えることに対しての気恥ずかしさを覚えた。
「我に秘めされし力を示せ、スキルステータスオープン」
両手の中にA3サイズくらいの四角い光の塊が現れた。
そこには文字がびっしりと書いてある。
…………………………
名前 レイ・ステイン 子爵令息
家族構成 父 母 兄
年齢 5歳(→精神年齢 32歳)
出身地 ステイン子爵領ステイン村
レベル 0/999
所属 子爵家
…………………………
おいおい、個人情報が駄々洩れ状態じゃないか。
心の中でツッコミながらも読み進めていく。
そして目的のスキルが書かれている欄を探していると、その前にこう書かれていた。
…………………………
前世 サラリーマン(凡)
享年 27歳
出身世界 表示できません
…………………………
前世のプライバシーまで晒されるとは侵害も甚だしい。
というか俺27歳で死んだのか…だから前世と合わせて今の精神年齢が32歳…。
しかしその下に探していたものがようやく書かれていた。
…………………………
保有スキル 破壊
スキル説明 この世に破壊できないものは何もない。有形無形問わず破壊可能
属性 オリジナル
スキル成長まで ###exp
保有スキル 再構築
スキル説明 破壊したものを新しく作り直すことができる。しかし破壊する前と同一にはできない
属性 オリジナル
スキル成長まで ###exp
…………………………
親の属性の遺伝、どこにいった。
待てよ…もしかして母さんの属性か?
父と兄のスキルは確認したが、母のは確認していない。
きっとそうに違いない。
「どうだい?」
読みながら考えを巡らせていると男性が俺に声をかけてくる。
「え、あ、えっと…」
まずい、前世やらなにやら見られたら困る気がするぞ。
俺は焦って手で前世の項目だけでも見られないように隠そうとした。
「ははは、他の人には見えない作りになっているからね。ゆっくり読んでいきなよ」
そんな俺の焦りに気付いたのか男性はおっとりと笑った。
「あ、ありがとうございます」
そしてすべてを読んだ俺は最後に書かれた注意書きに気づいてしまった。
…………………………
なお転生者はその特典としてオリジナルスキルが付与されますが、スキルの遺伝はございませんのでお取り扱いにはご注意ください。
…………………………
見なかったことにしたいぞここ…。
ショックで腕を下げると光は消えて見えなくなった。
「おや、もういいのかい?」
「は、はい」
「スキルレベルの変化とかも見ることができるから、またおいで」
「あ、ありがとうございます」
俺がスキルクリスタルから離れるとヒカルが近づいてきた。
「どうだった?」
「うーん…」
俺はどこまでヒカルに話せばいいのかわからなかった。
「あれ?なんかあった?」
「うん…」
「ここじゃあれだから、美味しいものでも食べながら話そうよ」
「え?」
スキルクリスタルに近づくと、白衣のような白いローブを身にまといフードを目深にかぶった男性が俺たちに声をかけてくる。
「レイ、いってらっしゃい」
「おう」
俺は一歩、また一歩と徐々にその強い光に近づいていく。
「それじゃあ、両手をここに」
男性の手本通りに手を差し出す。
「はい」
「それじゃあ、今からいうことを繰り返してみて…我に秘めされし力を示せ、スキルステータスオープン」
心の中で呪文を唱えることに対しての気恥ずかしさを覚えた。
「我に秘めされし力を示せ、スキルステータスオープン」
両手の中にA3サイズくらいの四角い光の塊が現れた。
そこには文字がびっしりと書いてある。
…………………………
名前 レイ・ステイン 子爵令息
家族構成 父 母 兄
年齢 5歳(→精神年齢 32歳)
出身地 ステイン子爵領ステイン村
レベル 0/999
所属 子爵家
…………………………
おいおい、個人情報が駄々洩れ状態じゃないか。
心の中でツッコミながらも読み進めていく。
そして目的のスキルが書かれている欄を探していると、その前にこう書かれていた。
…………………………
前世 サラリーマン(凡)
享年 27歳
出身世界 表示できません
…………………………
前世のプライバシーまで晒されるとは侵害も甚だしい。
というか俺27歳で死んだのか…だから前世と合わせて今の精神年齢が32歳…。
しかしその下に探していたものがようやく書かれていた。
…………………………
保有スキル 破壊
スキル説明 この世に破壊できないものは何もない。有形無形問わず破壊可能
属性 オリジナル
スキル成長まで ###exp
保有スキル 再構築
スキル説明 破壊したものを新しく作り直すことができる。しかし破壊する前と同一にはできない
属性 オリジナル
スキル成長まで ###exp
…………………………
親の属性の遺伝、どこにいった。
待てよ…もしかして母さんの属性か?
父と兄のスキルは確認したが、母のは確認していない。
きっとそうに違いない。
「どうだい?」
読みながら考えを巡らせていると男性が俺に声をかけてくる。
「え、あ、えっと…」
まずい、前世やらなにやら見られたら困る気がするぞ。
俺は焦って手で前世の項目だけでも見られないように隠そうとした。
「ははは、他の人には見えない作りになっているからね。ゆっくり読んでいきなよ」
そんな俺の焦りに気付いたのか男性はおっとりと笑った。
「あ、ありがとうございます」
そしてすべてを読んだ俺は最後に書かれた注意書きに気づいてしまった。
…………………………
なお転生者はその特典としてオリジナルスキルが付与されますが、スキルの遺伝はございませんのでお取り扱いにはご注意ください。
…………………………
見なかったことにしたいぞここ…。
ショックで腕を下げると光は消えて見えなくなった。
「おや、もういいのかい?」
「は、はい」
「スキルレベルの変化とかも見ることができるから、またおいで」
「あ、ありがとうございます」
俺がスキルクリスタルから離れるとヒカルが近づいてきた。
「どうだった?」
「うーん…」
俺はどこまでヒカルに話せばいいのかわからなかった。
「あれ?なんかあった?」
「うん…」
「ここじゃあれだから、美味しいものでも食べながら話そうよ」
「え?」
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