魔法少女に就職希望!

浅上秀

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第十章 後輩の教育も楽じゃない

第三話 トレーニングルームにご案内

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「あの・・・」

アミが三人に振り向く。

「あの人すごいなぁ」

眼鏡をかけた新人は瞳を輝かせている。

「あれくらいの技、出せて当り前よ」

黒髪ストレートでツンとした印象を受ける新人はユリのトレーニングを見て鼻で笑っている。

「だから日本はレベルが低いのよ」

金髪のゆるふわパーマの新人は興味なさそうだ。

「ええええ」

アミは三人を眺めながら頭を抱えていた。
ミヅキの忠告が当たっていたからだ。



「アミ」

トレーニングルームからユリが出てきた。

「ユリ、お疲れ」

「その人たちは?」

「あ、彼女たちは…」

「アミ、お待たせ」

ちょうどアズがエグチを連れて戻ってきた。

「おや、ユリさん、トレーニング中でしたか」

「はい、このアイテム、魔力の出力が弱くて、だからここをこうしてほしくて」

ユリとエグチは新アイテムの開発話を始めてしまった。

「私たちはどうすれば・・・」

おいてけぼりをくらったアミは困惑した表情でユリとエグチを交互に見ている。

「とりあえず自己紹介でもしましょうか」

アズが提案した。

「そうね…私はアミ、今年の四月に入社しました。魔法少女歴は二年ちょっと。よろしくね」

「私はアズ、今年の四月にロシア支局から帰国。魔法少女歴とか数えられないから割愛。まぁよろしく。新人も挨拶して頂戴」

「偉そうに…」

金髪の子がぼやいた。

「何か言ったかしら?」

アズが睨む。

「いえ、なんでも・・・」

「わ、わたしはアヤネです。魔法少女には三カ月前になったばかりで、ご、ご迷惑をおかけすることもおおいかもしれませんがよろしくお願いします」

「私はサヤカ。家が代々魔法少女の一家なの、よろしくしてあげてもいいわ」

「あたしリサ。アメリカから来ました。日本のレベルの低さにはビックリ。以上」

アミは若干たじろいでいた。

「今年の新人こわ・・・」

アズは頭を抱えていた。

「あの、ちょっといいですか」

サヤカがアイテムの話をしているエグチとユリの間に割り込む。

「私たちのための新人研修ですよね?関係ない話は後にしてくれませんか?」

「あ、あぁ悪いね。じゃあ、ユリさん改良しておくから改善案の提出お願いね」

「かしこまりました。では私は部外者なので失礼します」

ユリは三人を睨みながら出て行こうとしたがエグチに止められた。

「僕は庶務部部長兼魔法少女協会で技術開発などの職員をしているエグチだ。今日は新人研修だったね。ちゃんと学びを得て帰って欲しい。ということで・・・」

エグチが目くばせするとアズがトレーニングルームのシステムを操作する。

「君たち三人には早速、魔法少女としての技能テスト、いわば新人戦のようなものを行ってもらう」









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